マネジメント

「うっかり違法」を防ぐために

購入とリースはどちらが有利でしょうか?

2016.08.17

「歯科医師法」を押さえた明るいクリニック経営

法律を守ることは当たり前のことですが、慌ただしい現場で長く経営を続けているうちに軽んじられてしまうルールもあるかもしれません。今一度、ゼロの視点から振り返ってみましょう。

歯科医師法で押さえておきたいポイント

(1)資格者に合った業務を

歯科助手に、スケーリングなど患者さんの口腔内に触れる仕事を任せたり、ブラッシング指導をさせたり、レントゲンの準備をさせることは、禁止されていますよね。しかし、つい人手がないときに、ベテランのスタッフに頼んでしまうという医院もまれにあるようです。

よくわからずに、任されたまま仕事をする助手もいますが、「本当は違法なのでは?」と不安に感じ、スタッフ同士、陰で話している可能性もあります。もちろんこれが発覚した場合、医師だけでなく、助手本人も刑事罰を科されてしまうことがあります。

「違法な業務に加担している」と感じながら仕事をすることは、本人にとっても、大きなストレスですし、真面目なスタッフなら退職する理由にもなり得るのです。

(2)患者さんも見ている

また、医師以外のスタッフが、レントゲンの撮影ボタンを押したり、レジンなどを詰めたりする作業を行っているのは、スタッフ本人のみならず、患者さんも不安にさせてしまいます。

最近はインターネットの普及で、患者さんが疑問をネットに書き込んだりして、医院名が特定されるケースもあるので、常に誰かに見られていることを忘れないようにしましょう。

(3)良心的な診療を

また一昔前に、保険の点数稼ぎで、患者さんに無断で健常歯を削ってしまうような、悪質な歯科医院も問題になっていました。そういった違法な診療をしているクリニックは、優秀なスタッフも、通ってくれる患者さんもいずれ去ってしまいます。

以前に比べ、クリニック経営は、サービス業としての性質も強くなり、インフォームドコンセントなどをきちんとしていないと、患者さんから不審に思われてしまいます。
また治療に疑問を抱けば、他院でセカンドオピニオンを得る患者さんもいます。

一時的な利益を追求しても、長い目で見てリスクがあることを、認識しておきたいですね。

良心的なやさしい診療は、患者さんにも、スタッフにも、延いてはクリニックや院長自身にもやさしい結果をもたらします。

誰に見られてもよい、クリーンな医院経営を

昔に比べて、ネットの普及により、治療は必ずしも、医師だけが決定するものではなくなりました。ネットの書き込みは、クリニックにとって、プラスにもマイナスにも作用します。

いつどんな患者さんが見ているかわからないですし、スタッフが院外でつい話してしまうかもしれません。いつ、誰に見られてもいい状態にしておくという意識を忘れずに、「うっかり違法」のないよう、日ごろから院内のルールを徹底する習慣が大切です。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部
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