口コミは、どのようにして広がるのか
2016.02.24
医院の集患に口コミを利用する -口コミの広がり方-
今回は、学校の検診をきっかけに、どのように口コミが広がるのかを例に説明します。
学校で検診を行うと、歯について問題を抱えた児童・生徒が、必ず何人かはいますよね。既にかかりつけの医院がない場合など、検診で問題を指摘された子どもたちは親に連れられ、検診を行った医者の元へやってきます。
その際に、「適切な診療をすること」が、口コミを生み出すきっかけになります。ただし、このような場合の口コミの発生源は実際に治療を受ける子供以上にその子供の母親という場合が多いので注意が必要です。そしてその母親のコミュニティーというのが厄介なもので、母親たちの世界の中にも上下関係があり、夫や自身の職業や学歴、子どもの成績などによってポジショニングが決まっているケースも多く、どの母親が信頼できる情報源となるのか、傍目からは判断しにくくなっているのです。
「あの人が言っているのなら…」と、母親たちの間でどんどん口コミが倍々ゲームの要領で広がっていくのです。こうして、口コミによるマーケティングは成功します。
ただし、ここで気を付けなければならない点があります。「ダメだ」という情報も、同じような形で広がってしまうという点です。マイナスの情報はプラスの情報よりも広がるスピードが速く、プラスの情報の何倍も粘着性を持ちます。そのことは、頭に入れておかなければなりません。
そんな諸刃の剣の口コミですが、今回例に挙げた学校の検診の他にも地方自治体や民間の介護団体の歯科セミナー等、一度に多くの人に知ってもらえ、来院のきっかけをつくることができる方法はいくつかあります。そこでしっかりと顧客満足度の高い診療を行えば、いい医院としての評判は高まり、多くの患者の定着につながるのです。
結局のところ、良い口コミを生み出すには、“どこで、誰に、良い診療を行うか”ということと“その口コミが誰によって良いと判断され、発信されるのか”を意識することが大切なのではないでしょうか。