マネジメント

有給取得は無理のないように、計画的に

2015.12.09

休暇がもたらす利益とは?Vol.1

47.6%

これは、日本の有給休暇取得率です。(平成26年・厚生労働省調べ)

ほぼ100%に近い欧米諸国に比べると、あまりに低い数字です。さらに、およそ17%が有給をまったく取得していないという結果も出ており、これは世界でワースト1です。有給取得制度は、心身のリフレッシュを図ることが目的とされてはいるものの、有名無実化していることは否定できません。

それは有給の取得に対して、

・会社や同僚に遠慮がある

・休んだ分、仕事が滞る

・ボーナスや昇給の査定に影響する

などといったネガティブな感情を抱くからではないでしょうか。病欠などの場合に給料が引かれないようにするための保険の役割、という認識にすぎないという現実もあるかもしれません。

一方で経営者の視点で見れば、東京オリンピックを機に企業のグローバル化が加速、世界が注目するのは明らかであり、労務環境の整備、いわば 『ホワイト化』 は進めておきたいところです。加えて、少子高齢化の影響により採用もままならない現状も何とかしたい、という気持ちもあるでしょう。しかしこちらも、

・そもそも従業員が不足している

・人件費に大きく影響する

・取得をさせなくても罰則はない

といった理由で制度の見直しも手付かず、という企業も多いのではないでしょうか。

そんな中、国会では従業員に年5日の有給休暇を取得させる義務を企業に課す方針が出されています。このまま調整が進めば、平成28年4月より施行となるでしょう。つまり、遅かれ早かれ対策が必要だということです。歯科医院とて例外ではありません。では、具体的にどうすればいいのでしょうか。

有効的な手段の1つとして考えられるのが、有給取得の 『年次計画化』 です。

たとえば5日。各スタッフに年間の計画を提出してもらい、あらかじめ有給取得日を決めてしまうのです。そうすればシフトも組みやすく、スタッフとしてもプライベートの計画が立てやすい。

「簡単にいうけど、そんな計画通りにはいかないよ」

こんな声も聞こえてきそうですが、院長を含めて、体調不良や家庭の事情などにより、急に休まなければならないことは今までにもあったはずです。それに比べれば、あらかじめフォローができるのですから、こんなに楽なことはありません。それに、労働法の改正が順調に進めば、1年半後には嫌でも解決しなければならない問題です。

法改正の後になってから仕方なく取り組む医院A。

一足先に 『ホワイト化』 を高らかに宣言して実行する医院B。

私は、Bを選びました。スタッフも喜んでいます。

さて、あなたはどちらを選びますか?

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部
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