マネジメント

あなたと私は同じではない、という当たり前のことを忘れずに!

あなたと私は同じではない、という当たり前のことを忘れずに!

2014.12.03

個人差を意識し能力を引き出す

テレビCMやチラシ広告などで、『効果には個人差があります』『これは個人の感想であり、商品の効能を確約するものではありません』という表現を耳にした、あるいは目にしたことがあると思います。医院で取り扱っている医薬品などにも記載されているかもしれませんね。

つまり、人はそれぞれ違いますから仕方ないですよ、保証できないこともあるんですよ、とうことです。

さて、これらの表現に関して違和感を覚えたことはありますか? おそらく、『それはまあ、そうだろう』と納得する方がほとんどではないでしょうか。個人差があるのは当然である、という考え方です。

流通、サービスにおいては、こうした個人差を前提とした考え方が一般的ですから、むしろ個人差に関する注釈がないと商品やサービスに対するクレームにつながったり、場合によっては訴訟にまで発展したりしてしまい、企業の存続自体が危うくなることさえあります。『話が違うじゃないか!』となるわけです。

しかし、世の中すべてが “ 個人差” を前提とした考え方でまとまっているかというと、残念ながらそうではありません。『お前は何でこんなこともできないんだ。みんなを見てみろ!』『お兄ちゃんはあんなに勉強できるのに…』これらも聞いたことがあるフレーズではないでしょうか。

もしかすると、スタッフの間でもあるかもしれませんよ。『○○さんに頼んだほうが早いかな』『△△さんはスケジュール管理できないから』個人差をまったく意識せず、相手の能力を否定する考え方です。

周りと同じようにあるべき、一般的にこうあるべきだから、こうでなくてはおかしい…。結局、自分の先入観や価値観、あるいは願望を押し付けているだけです。相手の本質が見えず、最終的に相手をただ批判するだけになってしまう。

それでは、どんなに優秀なスタッフがいても、その能力を引き出せないまま失ってしまうことになるでしょう。

こうした問題は、組織の大小に関わらず起こり得ますので、スタッフ間の言動にアンテナを張っておく必要があるのは当然です。そして、経営者自身も気を付けなければいけません。経営者でもある院長は、スタッフよりも経験やスキル、そして経営感覚も優れていることでしょう。つまり何でも卒なく、当たり前のようにこなしてしまう。これが危ないのです。

自分が当たり前のようにできてしまうから、まだ経験も浅くスキルも乏しいスタッフに対して、知らず知らずのうちに自分と同じレベルの仕事を要求してしまい、スタッフはついていけなくなってしまう。

個人差を認識しながら、相手の能力を引き出す。

それができるのは、やはり経営者だけです。組織にとって、一番の財産は、やはり【人】です。スタッフは財産であり、何より、同じ目的を持った【仲間】です。こんな大事なもの、なかなか手に入れられませんよね。だからこそ、個人個人にあった対応や評価をしなければならないのです。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部
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