生産性を高める「時短のススメ」
2017.06.07
業務の効率化に必要な3つのポイント
仕事の質と生産性を高めるには
まず前提として院長自身の勤務時間を決めましょう。一般企業のサラリーマンや公務員には定時があり、それを超えた分は残業となります。しかし経営者の場合、そもそも自分自身に勤務時間を設定するという概念がないため、ついだらだらと仕事に時間を費やしてしまいがちです。勤務時間は9時から19時まで。それ以降は残業時間とキッチリ決めてしまうことが大切です。スタッフと一緒にタイムカードで勤務時間を管理してみるのもいいでしょう。
そして、残業には種類があります。『計画的な残業』と『なんとなくする残業』、そして『仕方なくする残業』の3つです。このうち、『なんとなくする残業』と『仕方なくする残業』はムダ以外の何物でもありません。仕事の生産性を高める手段として、まずこの2つを無くすことがとても有効なのです。
効率よく業務を行うためには
限られた時間の中でスタッフに任せられる仕事を振ることができれば、院長は自分の仕事に集中できます。業務の効率化を図るなら、スタッフに仕事をどんどん任せていくことです。しかしひと言で『任せる』といっても、単純に目の前の仕事をどんどん振っていけばいいというものではありません。
そこで大切な3つのポイントを順に解説していきます。
まず1つめは、『自分(院長)にしかできない仕事のリストアップ』です。つまり、それ以外はすべてスタッフに任せられる仕事ということです。思いつきやその場の流れで仕事を頼まれても、スタッフにとっては突然入ってきた予定外の仕事でしかなく、それをこなすためには『仕方なくする残業』をするしかありません。そうしないためにも、自分の仕事と任せる仕事を明確にしておく必要があるのです。
2つめは、『期日を明確にすること』です。頼まれた仕事がどの程度のボリュームで、いつまでにやるべきなのかがわからないと、なんとなくダラダラとやっつけ仕事になってしまい、『なんとなくする残業』となります。期日が明確であれば、その日にどこまで進めればいいのかが見えます。早いタイミングで時間の調整も行うことができるのです。
3つめは、『やらなくてもいいことの指示』です。様々な仕事を抱える中で、優先順位や後回しにできること、省いても構わないことなどがわかれば、スタッフもスケジューリングが容易になります。
さらに、「その資料への記入は手書きで充分だよ」と具体的な指示があれば、どの程度の時短が可能になるのかまで見当がつきます。特に業務量の多い時期などには、すべてをやり切ろうとするのではなく、今やること・やらないことを分けて考えることで、その今やるべきことにだけ時間を割り振れば良くなるので、気分的にも軽くなるでしょう。その上でどうしても必要であれば、『計画的な残業』でクリアすれば良いのです。計画的であれば生産性は落ちませんし、スタッフが不満を募らせることもありません。
これらは生産性を高め、業務の効率化を図り、ムダな残業をなくすための重要なポイントです。任せる仕事と期日を明確にし、やらなくてもいいことを指示すること。この3つのポイントだけで、医院の生産性は確実に上がります。
そうして仕事の進め方が変われば、使える時間の量がガラリと変わります。こうして創り出した時間が、新たな『楽しみ』や『可能性』を生み出し、人生も、経営も豊かにしてくれるのです。