医院のマーケティングで重要になるデザインとインターネット
2017.03.29
勝ち残る医院のマーケティング戦略
今回の記事では、医院のマーケティング戦略を立てる上で重要となる考え方を、デザインとインターネットの観点からご紹介します。
・医院のロゴやホームページのデザインもマーケティングの一つ
・医院の制作物のデザインを変更する際に、何を軸にすればよいか
・デザインを変更していく手順
・医院での活用事例が見られるリマーケティング広告を使った集客
・ポータルサイトを利用するのも一つの手
・集客をする前に、その受け皿である医院のサイトも整えておくことが重要
医院のロゴやホームページのデザインもマーケティングの一つ
自らの医院をマーケティングし、どのようにアピールしていくか。その最も初歩的なものはロゴやホームページのデザインです。
しかし、独立・開業時には、それほど考えることなく作成されている方も多いのではないでしょうか。
来院されるであろう患者様の想定が、老若男女、全世代を対象としていても、かわいらしいデザインにされている場合が多いように見受けられます。
同業の方々のデザインを参考に、“不快感なく親近感を持ってもらうため”、ロゴは優しく心地よいものにするのは当然のことでしょう。
ただし、いつまでもそのままでいいか、といえば、そうとも言えません。
開業後5年もすれば、顧客ターゲットの見直しや、地域における自院の優位性と他医院との差別化等を考えるべきですし、それに合わせて当初作成したロゴやホームページのデザインを見直すことも必要になってきます。
医院の制作物のデザインを変更する際に、何を軸にすればよいか
いざ変更するとなると勇気が必要なことも事実。すでに浸透しているデザインを変えることに不安を感じるかもしれません。ただ、その場合も、どこにプライオリティを置くか事前に決めておくことが大切です。
どんな人に新規の患者様になって欲しいか。それを明確にイメージし、そのためにはどんなアピールをしていくべきかを考えます。
現代において、新規の患者様が初めての医院を探すとき、例えばインターネットで検索することはよくあることです。ゆえに医院ホームページのデザインが大切になってくるわけです。そこに患者様にビビットに訴えかけるデザインがあり、院長からのメッセージがうたわれている。
このことはリスティングなどのインターネット広告運用などよりも、最初に行うべき医院にとっての投資案件であるといえます。
デザインを変更していく手順
では、どういう手順でデザインやロゴを変えていけばいいのでしょうか。
「高級感のあるデザイン」「今までとガラリと変える感じで」等といったイメージをデザイナーやプランナーに伝えて、お任せで作り直してしまう。……それではあまり意味がありません。
前述のようにロゴやデザインを変更するということは、それなりの勇気が必要なことです。それゆえに変更する正当性を、自らの中にしっかりと根付かせるべきなのです。
どうすればいいかというと、ロゴやデザインを変更した後の医院の姿をしっかりとイメージすることです。
開業時の想いについて振り返り、今後の方向性や患者様に伝えたいメッセージを考え直し、新たな方向性やそれに即した医院経営の方針を練り直す。
単に見た目を変更するのではなく、その背景を自らの中にしっかりと構築し直すこと。
もちろん予算や時間との相談にはなってきます。ですが、ロゴやホームページのデザインを変更することには、医院の経営・マーケティング戦略を見つめ直す貴重な機会であると言えるのです。
医院での活用事例が見られるリマーケティング広告を使った集客
続けて、具体的にその施策の1つである、ホームページについて掘り下げてみたいと思います。
Webマーケティングには三段階あると言われています。
●第一段階 “見つけてもらう・印象を残す”
●第二段階 “成果の獲得”
●第三段階 “アフターケアとリピーターの獲得”
この中で、まず目指すべきは、第一段階の“見つけてもらう・印象を残す”ということ。
ご存知のように、インターネット上には膨大な情報があふれています。その中から“見つけて”もらい、それを“印象に残して”もらわなければ、話になりません。
“見つけて”もらうための手法は、リスティング広告、SEO、ブログ、メールマガジンなど、さまざまなものがありますが、“印象に残す”ために、近頃最も効果的に活用されているものが、「リマーケティング広告」です。
「リマーケティング広告?」と思われたみなさんも、リマーケティング広告を日常的にご覧になっているはずです。
経験がありませんか?
例えば、気になっている新築マンションのホームページをチェックしたとします。するとその後、ほかのモノを検索しようとしても、なぜかそのマンションのホームページの広告が画面に登場することがありますよね。
これが「リマーケティング広告」という広告手法です。そうやってインターネットを閲覧するたびに、繰り返し画面に登場することで、患者様に強い印象を残すことができるのです。
スマートフォンやSNSなどの発達によって、患者様の持つ情報量、検索・比較手段は大きく変化しました。それに伴い、一度の広告露出では患者様がコンバージョンしないのが通例です。リスティングやSEOでの集客に多額のコストがかかる医療業界でも、その傾向は明らかです。
そのため、医療業界でも”印象に残る”リマーケティング広告を使った広告手法は活用されています。
Webマーケティングにおいて先を行く医院では、“見つけてもらう”広告手法でサイトに訪問した、ニーズのある患者様を、“印象に残る”リマーケティング広告で追って、サイトに再訪してもらい、コンバージョン(成約)まで至らせる、という繰り返しコミュニケーションを取る仕組みを作っているのです。
ポータルサイトを利用するのも1つの手
“集客をなんとかしたい!”ということであれば、すでにサイトパワー(※1)を持っているポータル系サイトに作成・登録する方法も良いでしょう。口コミや地域セグメント面などの優位性を持ち、たくさんの医院と契約をしているポータル系サイトは、SEO的にも有利な点が多く、検索時に上位に表示される可能性も高くなります。
また、ポータルサイト全体として、ポータルサイトの運営企業が広告出稿することがあります。その場合、運営費で広告費を賄ってもらえることがほとんどなので、予算的にもメリットがあります(もちろん、ポータルサイト内に自ら広告出稿する場合は別です)。
ただその一方で、他の医院との差別化を大きく図ることが難しくなるというデメリットがあります。ポータルサイトの担当者と相談して、目立つための施策を実行していくことも重要になるでしょう。
そうすることで、ポータルサイトのTOPページに掲載される可能性は高めることができますし、同時に医院サイトへ誘導することも有利になっていきます。
集客をする前に、その受け皿である医院のサイトも整えておくことが重要
単に集客し、アクセスを増やすだけでは効果が高いとは言えません。誘導した先の医院のサイトで何を見て、どんな情報を得て帰ってもらうのか?
集客はもちろん、他の医院との差別化、もしくは自らの戦略をより鮮明に打ち出したいのであれば、やはり独自のホームページを制作・運営することをお勧めします。
例えばターゲットとして狙っている患者層が富裕層であった場合、過度な躍動感は落ち着きがないと捉えられてしまう可能性があるなど、「医院の戦略」と「狙う患者」に合わせたマーケティング戦略を立てることが重要なのです。
それをやろうとするためにはノウハウが必要です。ここで重要となるのは誰に協力を依頼するか? 任せるか? です。
「流行っているから」「集客的にはキーワード設定が一番重要」といった制作(広告代理店や運営会社)側の意見や都合を押し付ける会社(個人)には要注意です。
ウェブサイトは旬の移り変わりも早いため、医院の現状や方向性、実現のスピードなどを考慮し、トータルでサポートしてもらえる専門家を選ぶことをお勧めします。
これらの点を考慮して、医院のマーケティング戦略を構築していきましょう。
※1:サイトパワー
すでに集客ができている、SEO対策もできていること。