【週末観たいDVD】『ブルゴーニュで会いましょう』
2017.08.18
老舗ワイナリーを舞台に繰り広げられる父子の葛藤と再生の物語
「親の心子知らず」とはよく言ったもので、親の思いは、なかなか子どもには伝わらないようです。
しかし子どもは“大人”として成長していく中で親の思いを理解し、次第に親子の絆が強く、深いものになっていくのではないでしょうか。
今回紹介する『ブルゴーニュで会いましょう』は、まさにそんな父と子の物語です。
故郷を失いたくないとワイナリーの再建に乗り出した息子と「ワインは家族で作るもの」という家訓に背いて家を飛び出した息子をなかなか受け入れることが出来ない父。
ワイン評論家としては一流でありながら、ワイン造りには素人である息子の自らの信じたやり方を貫こうとする姿勢がもたらした父の心の変化する様子が表現されています。
このような父と子の確執と和解は、医院継承の場面でも見受けられます。
例えば3世代続くような老舗医院の、2代目の先生など、この映画の「息子」と「父」の両方の心情と重なる経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
映画は終盤に向け、絆を取り戻した親子が協力しながらワイン造りに励む姿が描かれています。
この物語のように、結局、親子の絆が強くなる時というのは、子が独り立ちする姿を親が目にした時なのかもしれません。
本作に登場する親子も、当初はそれぞれのやり方を受け入れ難く思っていました。
しかし息子は、自らがワイン造りにこだわることで、それまで父が守ってきたものを実感します。そして父は、自らのやり方を貫こうとする息子の姿を見て、その成長を感じ入るようになります。
この映画の大切なモチーフであるワインが、時とともに美味しくなっていくように、良好な親子関係を築くには、多少の時間が必要なのかもしれません。そんな思いを重ねながら、ご覧になってはいかがでしょうか。
『ブルゴーニュで会いましょう』
http://bourgogne-movie.com/
執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部