インタビュー

「面白いこと」を最新技術で具現化する

2017.09.26

アララ株式会社 AR事業部 営業部長・エグゼクティブプランナー 鹿取啓介氏インタビュー

青年時代から自身が思う「面白いこと」を追求し、アクティヴに動き回ることを信条にしてきた鹿取啓介氏。現在はAR(拡張現実)を用いた企業のプロモーションやキャンペーンを企画・制作し国内でも屈指の実績を誇る「アララ株式会社」のエグゼクティブプランナーとして活躍する。鹿取氏の仕事に対するモットー、そして将来の展望とは?
【プロフィール】
●アララ株式会社 AR事業部 営業部長・エグゼクティブプランナー
1971年生まれ、兵庫県西宮市出身。AR・VRなど先端テクノロジーをビジネス展開するアララにて、企画営業を担当。ARアプリ「アラプリ」は、数多いARプラットフォームの中でも国内No.1シェアを獲得(アララ調べ)。その他、ウェアラブル端末、ロボット、人工知能(ディープラーニング)とプランナーの目線で企画開発、大学との提携開発も行う。またARを中心とした講演会にも多数登壇。

“面白い”と思ったら迷うことなく違う道へ

ーどのような学生時代を過ごされましたか?

鹿取 啓介氏(以下、鹿取):昔から、家にこもって勉強をするというより、外に出て人と会う方が好きでした。

大学時代にヒッチハイクで日本を二周しているんですが、そういった意味でもアクティヴに動き回っていた学生時代だったと思います。日本各地を巡っているときに、様々な土地の文化や歴史に触れたことが影響して、今でも日本の歴史や寺社仏閣は大好きです

ーそのアクティヴさというのは、どなたから影響を受けたのですか?

鹿取:両親の影響があると思います。幼少期は、週末ともなると必ず遠方まで連れて行ってくれましたから。兵庫県の西宮市で子供時代を過ごしましたが、京都、奈良にはほぼ毎週行きました。現在は復元されていますが、奈良の平城宮跡の朱雀門なども当時はまだありませんでした。

父親に『ここに昔は御堂筋以上の幅の道路と巨大な門があったんだ』と教えてもらったりしましたが、その頃の僕は、幼過ぎて何を言っているのかいまいち分かりませんでした。

父親の頭の中ではその光景がイメージできていたんでしょうけど、今考えるとこれってAR脳ですね(笑)

ー大学卒業後はどのような道を歩まれたのでしょうか?

鹿取:当時の西武グループの『WAVE(ウェイブ)』というレコード店に就職しました。レコードのバイヤーという仕事は、インターネットもない時代でしたので、いかに音楽の知識が豊富かどうかが勝負でした。

イギリスなどからレコード・リリースの案内がファックスで送られてくるんですが、それが日本で流行るのか、売れるのかどうか、もう目利きですよね。イギリスのバンドであるレディオ・ヘッドのデビュー盤は、大阪で一番売ったと自負しています(笑)。

今でもそうなのですが、自分が『面白い』と思ったことを追求することが好きなんです。例えば“POP( ポップ)”という、レコード店でよく見る販促用の看板がありますよね。それを作っている業者さんの仕事内容がすごく面白そうに見えて…迷うことなく、その会社に転職しました。

作った看板を以前の職場に納品しに行くという、よくわからない図式になりましたが(笑)

ーその後、関西の情報誌の音楽ページを制作されていたそうですね。

鹿取:その時に働いていた編集プロダクションが東京支社を作るということで、関西から上京しました。

その後も、起業して町おこしのプロジェクトを立ち上げたり、ロボット・ビジネスをお手伝いしたり…その時々に自分が面白いと思ったもの、興味を持ったものを追い求めるあまり、流浪するように転職してきましたが、今思えば無茶苦茶ですね(笑)。

紆余曲折ありましたが、いろいろなジャンルの方との縁が生まれたというのがありがたいです

スタッフに“遊べ”と指示そのことが新たな発想に

ー現在のARの仕事内容の詳細をお教えください。

鹿取:『アララ株式会社』は2010年設立の会社です。スマホ時代の到来を受け、ARとスマホを合致させることで、可能性は無限に広がるんじゃないかという発想から、同年に『ARAPPLI』というアプリをリリースしました。プロモーション系から教育系まで幅広い分野で活用いただいています。

例えば、動物図鑑のトラのページにスマホをかざすと、立体的なトラがスマホの画面上に現われます。従来の紙媒体では平面の写真でしかトラを見られませんでしたが、ARを用いることで子供たちがトラの動きや形をスマホの画面上で学べるようになりました。

その他にも、街によくあるデジタルサイネージ広告にインタラクティブ性を加え、より体験できるサイネージARとしてリリースをしています。さらに、望遠鏡にARの技術を加味し、望遠鏡を覗いたら街に怪獣が現われる…といった企画・開発にも取り組んでいます。

何度も申し上げていますが、『面白い』を追求することに加えて、最新の技術を使って利便性を高めるというところに重点を置いていますね

ー企画を考える際、その発想というのはどこから生まれるのでしょうか?

鹿取:毎年毎年、どんどん新しいデバイスや技術が登場しますが、基本的には誰もが利用できないと意味がありません。

もっといえば、プログラミングさえできれば、誰もが新たな何かを生み出すことができる。

そこで重要になってくるのが“企画”だと考えています。『その最新技術をこういう風に使えばもっと生活が楽しくなるよ』とか『こんな風に上手にその最新技術を使いこなせれば生活をより良くできますよ』とか、そういったアイディアですよね。ですので、若いスタッフには『もっと遊べ!』と言っています。外に飛び出していろんな人と会え、と。

そこから受ける刺激や、何気ない会話の中から生まれる新しい発想で、企画というものは広がりますから

ー将来的にはご自身の仕事内容はどのように変化していくと思いますか?

鹿取:今こうしている間にも様々な新しい技術が生まれています。クライアントのニーズに合わせて、どの技術が適切かこちらで選んで提案する。

どちらかというと、コンサルティング的な動きになっていくのではないでしょうか

ー鹿取さん個人の今後の展望をお聞かせください。

鹿取:まず、健康でいたいですね。いつかは宇宙にも行きたいんで(笑)。

僕は考えることや柔軟な行動をやめてしまったら人生終わりだと思っているので、野望は尽きないですね。

これからはさらに“自分自身の人生を企画していく”ということにも重きを置いていきたいです

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