インタビュー

「働き方も多様であっていいと思う」WEB制作と〝カレーの人〟の二足のわらじ

2020.07.25

CHANCE THE CURRY:竹中 直己氏インタビュー

WEB制作会社の代表として大手企業のHPや広告などを幅広く手掛けながら、
ひょんなことからカレーに関わる事業を展開することとなった竹中直己氏。
〝好き〟や〝趣味〟を実験的かつ野心的にビジネスへと昇華する際の心構えとは?

東日本大震災を機に独立し、自身のWEB制作会社を起業

―どのような青年期を過ごされましたか?

竹中 直己氏(以下、竹中)「バスケットボールを小学生の頃からしていたのですが、中学に入り身長も伸びて、茨城県の選抜チームに選出されて全国大会で準優勝したことがあります。クラスでは、なんとなく学級委員とか生徒会とかに選ばれるタイプで、学業も学年上位。しかし、決してモテなかったですね(笑)。バスケも運動神経が良かったというより、独特なセンスというか、相手の裏をかくのが異常に上手かっただけなんです。バスケ以外では外出もせず家で映画ばかり観ていましたし……いわば、体育会系のネクラだったんです(笑)。大学は日本大学の商学部に入学しました。バスケサークルでワイワイしたり、ライブに行ったり、クラブに行ったりして、大学生らしい遊びは一通りしていました。でも、親の仕送りが殆ど無く、家賃も半分は自分で払っていたので、遊んでいない時は基本的にバイトをしているような生活でしたね」

―大学卒業後の進路についてはどのように考えていましたか?

竹中「映画好きや音楽好きが高じて、なんとなくデザインとか作り手側の仕事をしたいと思っていました。しかし、広告代理店や映像制作会社のクリエイティブな仕事を志望しましたが、商学部ということもあり、先方からは『何しに来たの?』って感じで(笑)。もちろん、見事に全滅……当然です。何かを制作するという経験がそもそも全く無かったですから。なんとかメーカーの営業職で何社か内定をもらえたのですが、やっぱり違うなぁと、全部お断りしてしまいました。そこからはフリーターとして、先輩が立ち上げた映像制作会社や出版社でアルバイトを掛け持ちしましたね。今の時代ですと考えられないですが、とにかく忙しくって、2日間徹夜が続くとかが当たり前の世界でした」

―WEB制作会社を起業されるまでに、そんな紆余曲折があったのですね。

竹中「そうなんです。インターネット契約販売を代行する会社に就職したり、先ほど話に出た先輩の映像制作会社でクリエイターと企業からの依頼をマッチングさせる部署を任されたり。そこでWEB制作のノウハウをいろいろ学ばせていただきました。起業のきっかけは東日本大震災ですね。あらゆることを、ある程度は自分の責任で動ける体制を作りたくて、先輩の会社を辞めることにしたんです。震災から4ヶ月後に新たなWEB制作会社を作って代表となりました。それが今の会社の前身です。コロナの影響を受けて売上は減りましたが、そこまで深刻なダメージはなく、なんとかやれていますね」

軸となる仕事を決め、そこから実験的に新たな挑戦を

―カレーにハマったきっかけをお教えください。

竹中「これは本当にたまたまなんですけど、4日間連続でカレーを食べていた時があって、それをSNSで上げていたんです。そうしたら、たくさんのいいねやコメントが付いたんですよ。普段は何のリアクションもないような人から、こっそりとおすすめのカレー屋情報が来たりして(笑)。ちょうど広告業界の先輩のススメもあって、毎日続けられるコンテンツを探していたんです。カレー好きってこんなにも人口が多く熱量もすごいんだ!とわかって、とりあえず毎日食べるということを公言しました。毎日カレーを食べ続けるとどうなるのか?という実験がきっかけで、実は最初からすごいカレー好きだったというわけではないです。今は、次のステージを考えて、毎日カレーを食べることを続けるのは止めてしまったんですが、結果的に4年半くらいは毎日食べていました」

―カレーをビジネスにと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

竹中「正直、ビジネスにするというよりは、単純に毎日実験的に食べ続けていたらそうなっちゃったという感じなんです。自分が毎日カレーを食べるようになるとどうなるのか?という実験の過程で、カレーをつくるようになり、イベントに出店するようになり、テレビにも出演して、企画商品も生まれて……。焼酎に漬けるスパイスセット『スパイス酒の素』や、オリジナルクラフトスパイス『竹中粉』などが今の主軸なんですけど、これもいろんなワークショップに行って、アイディアをいただいたおかげです。売り切れになるようなこともあって本当にありがたいですね。しかし、僕が完全にカレーの人になって、テレビとかにも出させてもらったので、WEB制作の仕事が減ったのが目下の悩みでしょうか(笑)」

― WEB制作会社代表と〝カレーの人〟という二足のわらじを履くことに関して、心掛けられたことは?

竹中「カレーだけでマネタイズしようとしすぎたり、それだけで食べていこうとしたり、そういう体制をとらない方がいいとは常に思っています。そんなにマッチョな考えにならなくていいんだと思うんですよね。今回のコロナ禍で大変な思いをしている人は本職一本で食べてた人が多いような気がして。働き方も多様であっていいと思うので、とりあえず軸のライフワークを決めて、そこから実験していくくらいがいいんだと思います。そして、何かのプロになろうとしすぎないこと。プロになろうと焦ると、それ自体が楽しめなくなっていきます。人によって個人差がすごくありますが、楽しめる程度の余白を残しながら仕事し、生きていくことが重要だと思っています」

―今後のビジョンや展望をお教えください。

竹中「会社の事業として『CHANCE THE CURRY』とは、カレーづくりという旅行の代理店である、と最近思っています。奥深くハマると抜けられないので〝カレーは沼だ〟なんて例えられますが、いわばインナートリップなんですよね。カレーをつくるようになると、スパイスと向き合って、世界の料理と向き合って、世界の文化に向き合うことになります。そこが楽しい。だから、そういう楽しさを世間に伝えられるナビゲーターになれたらなぁと思っています」

 

竹中 直己(たけなか なおき)

1980年9月14日生まれ、茨城県土浦市出身。日本大学商学部在学中の20歳から上京。卒業後は映像制作会社でのアルバイト、人材派遣ベンチャーの営業などを経て、2011年にWEB制作会社を設立。さまざまな企業のHPやWEB広告を手掛ける。一方で、4年半もの間、毎日食したカレーに魅せられ、カレーに広く関わる事業を展開する「クリエイティブなカレー会社」を経営する。

【CHANCE THE CURRY】
https://chancecurry.com/

 

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