各専門家とのリレーションの仕組みをいかにして作るか
2014.08.01
ASUIROあすいろ司法書士行政書士事務所代表 小野利経氏インタビュー
分野を越えて問題解決に取り組んでおられる司法書士の小野利経先生に、司法書士としての独自のこだわりと信念を率直に語っていただきました。
相続問題のスペシャリストとしてご活躍の一方で、司法書士・行政書士のほか、宅地建物取引主任者、NLPプラクティショナーなどの資格も保有。現在はMBA(経営学修士)取得のためグロービス経営大学院に通学中で、「司法書士・行政書士の枠にとらわれることなく、人・企業の支援を行っていきたい」という強い信念を具現化されています。弊社サービス「ドクターズライフ安心倶楽部 創」の士業連携に設立当初から参加。
アルバイト仲間が司法書士のきっかけに
今回は相続問題を主に扱っている司法書士の小野利経(かずのり)先生にインタビューをして参りました。小野先生は平成21年に司法書士試験に合格し、2年目で独立をされた新進気鋭の司法書士でいらっしゃいます。主に相続関係の問題を解決に導かれた実績を数多くお持ちの小野先生に、仕事に対する姿勢やこだわり、士業として、個人的に大切にしていらっしゃることなど、率直に語っていただきました。
小野先生(以下小野):こちらこそよろしくお願いします。
小野:そうですね。よく聞かれる質問なのですが、学生時代のアルバイト仲間が司法書士を目指していたんですね。そこで司法書士とはどういった仕事なのだろ うと調べてみたところ、経営者のお役に立てたり、相談相手になれる役割なのだと知り、目指すようになりました。きっかけはアルバイト仲間ですね。
クライアント様の相談内容の核を知るために
小野:私の場合はご紹介をいただいてお付き合いをするケースが非常に多いんですね。ご紹介を頂いた場合、その紹介者の方が間に入って話を進めていくというケースが多いと思うのですが、私は必ずクライアント様と直接連絡を取らせていただいています。そうしないとそのクライアント様の本当の気持ちや相談内容がわからないからです。
例えば「Aをしたい」という依頼を受けた場合、「出来ます」もしくは「出来ません」という2択のお答えしかできません。ですが、直接のやりとりであれば、「なぜAをしたいのですか?」という質問を介して、そのクライアント様の背景をリアルにお聞きする事が出来ます。そうしなければ、クライアント様にとって本当に最善策であるのかどうか判断できないからです。
じっくり腰を据えてお話を聞く事で、より良い改善策を見つけることができたというケースは多々あります。まぁ私自身が人と話すことが大好きだという事もあるのですが、この点に重点を置いて仕事を受けるようにしています。ここが差別化のポイントになっているのかなと思いますね。
小野:そういう事です。
各分野の専門家とのリレーションの仕組みを作る
小野:そうですね。仕事の幅を広く持つ事ですね。これは司法書士に限らず士業という括りになってきますが、この”幅”が大事だと思います。
小野:はい。どういう事かと言いますと、例えば税理士は税務の面、弁護士は法律関係……という風に専門分野が分かれていますよね。この場合、税理士に法律がらみの税務相談をされた時にお答えできなかったり、核心をついた答えを得られなかったりして、本当の解決にはいたらないケースがあるんです。それを解消するために、私は、司法書士の資格を取って終わりではなく、その後の自己研鑽のためにもっと多くの専門知識が必要と感じました。
今の時代の士業は資格を取って安心している方が多いように思うんです。取ってからがいちばん大事なのに…。その分野の資格を取った後も、例え専門分野外であっても、付随する知識は常に吸収していかないといけないと思っています。
小野:そうですね。ただ、必ずしも持っておかないといけないというわけではなく、例えば、法律がらみの税務相談などの場合は、税理士が信頼できる弁護士としっかりと連携できるように、リレーションの仕組みがきちんとできていれば問題はないんですね。要は、付随する知識の習得をするか、各分野の専門家とのリレーションの仕組みをいかにして作るか、が今の士業に求められていることなんです。
小野:あとはごく当たり前のことですが、「話しやすさ」を意識していますね。やはりクライアント様も話しにくい人に相談なんてしたくないと思うんですね。私としてはまだまだ研究中ですが、クライアントの皆様に日常のちょっとした話でも気がねなく話してもらえるような「話しやすい司法書士」になれればと思って、いつも業務に従事していますね。