MANAGEMENT

本人と会話することなく、『ウソ』を見抜く方法

間違いだらけの採用活動

2016.11.16

間違いだらけの採用活動Vol.3

スタッフの採用において院長を悩ませる問題の1つに、『経歴詐称』が挙げられます。これは医療業界だけではありません。どの業界においても学歴や資格、転職回数から業務経験にいたるまで、あらゆる経歴詐称が横行しています。少し前にも、有名なニュースコメンテーターの学歴詐称が話題になりましたね。

当然、そんなことをする人物を採用したいとは誰も思いません。とはいえ、履歴書を見ただけでそこに潜む詐称を見抜くのは、簡単なことではありません。中には、業務経験などのように事実と詐称の線引きが難しいものもあります。

たとえば、『業務経験有り』という表現の捉え方。採用側としては『問題なくこなせるレベル』と認識していても、相手が『やったことがある』という意味合いで捉えていたらどうでしょう。実際には業務を任せることができないとしても、それを詐称と言い切ることは難しいですよね。

それに、経歴の裏付けを取るような時間などない、という現実もあります。加えていうなら、業界の慢性的な人材不足と相まって、「軽度のものであれば問題にしない」と見過ごすケースも少なくありません。なぜなら、大半の詐称には悪意がないからです。別に擁護するつもりはありませんが、在籍期間が短いキャリアの抹消にしても、業務の経験年数を水増しするのも、『採用』を勝ち取るための手段であり、いわばブランディングとも言えます。

もちろん、前提として経歴詐称を許すべきではありません。しかし一方で、経歴の裏付けを取る時間もなければ、グレーゾーンも存在する。残念ながら、詐称を完全に見抜く方法は存在しません。ところが、その人物が信用に値する人物かどうかを確認する方法ならあります。

それは…『リファレンスチェック』、つまり信用照会です。要するに応募者以外の第三者(前職の上司などのケースが多いです)から、その人物像や職務実績についての推薦を受けることで、外資系企業や金融機関で日常的に行われている手法です。

質問の内容としては、以下が一般的です。

前職での実績と貢献度
応募者の強みと弱み
仕事に対する姿勢と適正
もう1度一緒に仕事したいと思うか

選考の最終段階で、応募者の同意を得たうえで電話やメールで推薦を受けます。特に、「もう1度一緒に仕事をしたいか」という質問に対しては、その人物の正当な評価が反映されます。

一部の金融機関や役員の採用の際などには、信用調査機関を通じて秘密裏に身辺調査が行われるケースもありますし、狭い業界である歯科業界では、院長同士が知り合いというケースも少なくないため、このような形式的な手法ではなく、前職、前々職の院長に個人的に聞いてみるという手法をとられている方も多いようです。

信用照会以外のスクリーニング効果として、応募の時点でリファレンスチェックを行うことを伝えておくことで、前職で何か問題を抱えていたような人物を面接の前にふるいにかけられるという効果も期待できます。リスクを回避できるだけでなく、ムダな時間を使わずにすみますので一石二鳥、というわけです。

第三者の声ほど、信用できるものもありません。ただし、特に在職中に求職活動をしている方など、その方自身に問題はなくても状況的にリファレンスチェックをされては困ると避けられる可能性はあります。それによって、応募者が集まりにくくなるケースや、信用照会の取り方に配慮が必要なケースもあることも考慮に入れて採用戦略を立てていきましょう。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部