FINANCE

税務調査の論点と日頃から留意すべき点

税務調査

2017.01.09

医院に税務調査がやってきた!Vol.3

ここで、税務調査の代表的な論点をご紹介しておきましょう。

基本的な論点は、どの業種も同じ。これを念頭に置きつつ、病院・診療所におけるポイントをみていきます。

<収入>

収入の計上もれや過不足がないことは、基本的ですが重要です。

病院・診療所の売上の柱である保険診療は金額の操作ができないため正しく処理できているかどうかという点、それ以外の収入ではもれがないことが、ポイントです。

■窓口で受け取る現金
■自由診療
■仕入先からの戻り
■原稿料・講演料

<経費>

他業種と同様ですが、設備など、他業種よりも高額となるケースが多く、論点となりやすい項目です。

■設備の購入・工事・処分 : 資産計上、修繕費、売却損の区分
■交際費 : 会食の目的・出席者などの確認

<現金取引>

現金取引は、預金取引よりも金額が小さく、金額的な影響度は低いといえますが、現金の管理ができていないということは、管理体制全体の信頼性を損なうことにつながります。

<医師会からの入金・医師会への支払>

医師会との取引は、入金・出金とも複数あるので、それぞれ正しく処理されているかがポイントです。

■入金 : 診療収入、医師会経由で加入している保険金の振込
■支払 : 医師会費、医師会経由で加入している保険料の支払

<家事費との区分>

計上している資産や経費が、全て病院・診療所の業務用なのか、兼用の場合は正しく区分されているかがポイントです。

<親族や関係法人との取引>

実態をともなっているかどうか、実態に見合った金額かどうかがポイントで、家事費と重なる部分があります。

仮に否認があると、役員に対する経済的役務の提供であるとして、二重三重の打撃(※)となります。

■役員報酬
■不動産等の賃貸借取引
■経営指導料

※否認の際の影響は、次のようなものです。
①役員個人が、給与として課税
②法人が、役員賞与の損金不算入・源泉の徴収もれ

以上、例示でした。

なお、ひとつひとつの論点はもちろんのこと、全体としての印象も大切です。いくつか否認事項が出てきたとしても、全体としてきちんとしている上で出てきたのか? あるいは、きちんとしていない印象や、利益操作をしていそうな印象なのかによって、係官の判断・方針が左右される可能性はあります。

3回にわたって税務調査をお伝えしてきました。少し知っていただくことで、「大丈夫、問題なし!」と安心していただけたり、「大丈夫だったかな?」と確認するきっかけになったり、少しでもお役に立てれば幸いです。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部