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配偶者控除と配偶者特別控除の条件が変わります!

お医者さんの確定申告

2017.01.16

お医者さんの確定申告Vol.1

平成29年度税制改正大綱によると個人所得課税改革として配偶者控除と配偶者特別控除の見直しが予定されています。確定申告ではおなじみの配偶者控除ですので、現在の控除の内容と改正予定内容についてお伝えします。

■確定申告でできる配偶者控除とは

その年の12月31日現在で、以下の4つすべてに当てはまる配偶者が、配偶者控除の対象となります。

1、 婚姻届けを出している配偶者(民法の規定上の配偶者なので内縁関係の人は当てはまらない)
2、 納税者と生計を一にしている(必ずしも同居している必要はありません)
3、 青色申告者の事業専従者または白色申告者の事業専従者ではない
(ただし、青色申告者の事業専従者でその年に一度も給与が支払われていないときは該当する)
4、 1月1日から12月31日までの1年間の合計所得金額が38万円以下
(パートなどの給与収入のみのときは給与収入の合計が103万円以下)

この配偶者控除の金額は配偶者の年齢によって異なり、その年の12月31日時点で69歳以下の場合は38万円、70歳以上の場合は48万円になります。

■配偶者の1年間の合計所得金額が38万円を超える場合

配偶者の1年間の合計所得金額が38万円を超える場合は、配偶者特別控除を受けることができます。控除をうけることができる条件は、上記の配偶者控除の1~3に加え、以下の2つがあります。

・他の人の扶養親族となっていないこと
・1月1日から12月31日までの1年間の合計所得金額が38万円超~76万円未満(パートなどの給与収入のみのときは給与収入の合計が103万円超~141万円未満)

配偶者特別控除として控除される金額は、配偶者の合計所得金額に応じて3万円~38万円と幅があります。ただし、配偶者特別控除には納税者のその年の合計所得が1,000万円以下という条件がありますので注意が必要です。また、配偶者控除と配偶者特別控除は重複して使うことはできません。なお、配偶者控除に関しては、納税者の所得制限はありません。

今回の税制改正によりその控除条件が変更になりました。

平成29年度税制改正大綱(平成28年12月8日公表)によると、配偶者控除では今まで納税者の所得制限がありませんでしたが、合計所得が1,000万円を超える場合は適用できなくなります。また、配偶者特別控除の配偶者の1年間の合計所得金額が38万円超~123万円以下(パートなどの給与所得のみのときは急所収入の合計が103万円超~150万円以下)に拡大され、平成30年分以後の所得税(平成31年分以後の住民税)に適用される予定です。

配偶者の所得制限のみではなく、配偶者控除を受ける納税者の所得制限も加わるなど、今までとは大きく控除条件が変わりますので、改正後の確定申告の際には十分注意しましょう。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部
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