孫正義が実行していた、会議で部下に積極的に発言させる方法
2017.11.15
孫正義に学ぶマネジメント〜国内でも有数の大企業を率いる人物の、部下の動かし方〜
そこで大切なのは、会議の際にいかに部下に積極的に発言してもらうかということです。若手の職員などは特に、上司に遠慮してしまい、自分の意見を押さえ込んでしまいがちです。それに対して会社の経営者などのうえの地位にいる人は比較的自由に発言でき、場の雰囲気を作りやすい立場にいます。意見が活発に飛び交う会議になるかどうかは、経営者の力量次第なのです。実際部下の扱いに長けた優秀な経営者は、活発な会議の空間をつくるのがとても上手な人であることが多くあります。
今回は、そのような経営者の1人である、ソフトバンクの会長である孫正義氏のマネジメント手法についてご紹介します。日本有数の大企業であるソフトバンクグループを率いてきた孫氏のマネジメント手法からは、多くのことを学べるのではないでしょうか。
孫氏は、会議の際に部下からの発言が少ないなと思ったとき、まずは自分から率先して穴のある適当なアイディアを出してみるのだそうです。そうすることによって「その程度のアイディアでも出していいんだ」と部下が安心して、意見を積極的に出すようになるんだとか。
孫氏はこれを「マクドナルドする」と呼んでいたそうです。会社の部下とのランチでどこに行くかの案を誰も出さないときに「じゃあ、マクドナルドにするか」と言うと、「ソフトバンクの会長をマクドナルドのような大衆向けのお店に連れて行くのはまずい。それよりも適したお店のアイディアなら出せるぞ」となって「僕いいお店知ってますよ」と部下からランチに行くお店の案がすんなり出ることからきているといいます。
この方法は、一見下らないようにも思えるアイディアを部下の前で披露しなければならないことから、上司であるあなたの評判を落としてしまうのではないかと心配される人もいるかもしれません。しかし、部下は予想以上に上司を恐れて気を遣っていることが多く、彼らにとってこのように気取らずにアイディアをポンポン出せる状況、アイディアのハードルを下げ、会議を円滑にしてくれる上司の存在というのは非常にありがたいものなのです。
今年の7月に東京ビッグサイトで開催された国際モダンホスピタルショウにおける特別企画「第10回 こんなものを作ってみました!看護のアイデアde賞」では、グランプリとなった「輸液パックからの点滴ルートの抜けを防止するためのクリップ」など、医療従事者による画期的なアイディアの数々が展示されました。
医療業務のプロセスの改善や効率化に貢献するこれらの素晴らしいアイディアも、きっと現場の人間が発言しやすい雰囲気の会議のもとで採用されたものなのではないでしょうか。
医院での会議が硬直状態になってしまった時などには、孫正義氏による部下に発言させる方法を、ぜひとも試してみてはいかがでしょうか。