マネジメント

脳のパフォーマンスを上げる『朝食の摂り方』

脳力マネジメント

2017.07.03

脳力マネジメントVol.2

あなたは子どもの頃、母親や先生にこんなことを言われた記憶はありませんか?

「朝ご飯はしっかり食べなさい!」

親の立場からみれば、勉強に集中できないとか、体調を崩しやすくなるといった理由で、ただ心配しているだけかもしれません。しかし朝食が体に、特に『脳』に与える影響は大きく、科学的な根拠も多くの実験によって立証されているのです。

結論から言ってしまえば、朝食の摂り方によって『脳』のパフォーマンスは良くもなり、悪くもなります。それが仕事の成果へとつながるのは、言うまでもありません。

『脳のゴールデンタイム』というものをご存知でしょうか。これは、朝起きてから2~3時間のことを指し、1日の中で最も集中力を保つことができる時間帯とされています。脳科学者の茂木健一郎氏や、テレビでもおなじみのメンタリストDaiGo氏、『神・時間術』の著者としても有名な精神科医の樺沢紫苑氏など、多くの専門家も『最も仕事がはかどる時間帯』と明言しています。

この時間帯は脳が疲れておらず、頭の中も整理されている状態であり、語学の学習やクリエイティブな作業に適していると言われています。経営者であれば、あるいはそうでなくとも、こうした時間は有効的に使いたいものです。

科学的には最も仕事がはかどる時間帯のはずが、「午前中は頭がボーっとして仕事に集中できない」という方も中にはおられます。

理由は人それぞれでしょうが、共通した要因として考えられるのが『低血糖』です。朝起きてからの時間帯は、1日の中で最も血糖値が低い時間帯でもあります。つまり、脳の栄養である『ブドウ糖』が不足している状態です。

脳は体重全体からみれば2%の重さしかありませんが、消費エネルギーは全体の20%を占めます。低血糖の状態が続けばエネルギー不足となり、その結果として集中力が保てない、体がだるい、といった状態に陥ります。何も食べずに長時間過ごした後の食事、つまり朝食を抜いたりすれば、エネルギー不足により充分なパフォーマンスが発揮できないのは、当然のことなのです。

加えて、朝食は『摂ればいい』というものではありません。もちろんその習慣は大切ですが、必要なのは『単なる習慣』や『量』ではなく、その『質』です。

時間がないからといって、菓子パンやヨーグルトなどで軽く済ませてしまう方も少なくありませんが、それでは充分な栄養を摂ることはできません。脳のパフォーマンスを上げるためには、バランスの良い食事が欠かせないのです。イメージとしては、旅館の朝食に出てくる典型的な『和食』です。

たとえば、青魚などから摂れるDHAは、脳の記憶装置である『海馬』に特に多く含まれており、これを増やすと記憶力や学習能力を高める効果があります。また、卵に含まれるビタミンB1は、ブドウ糖を脳へスムーズに送る役割を果たします。さらに豆腐などの大豆製品に含まれるレシチンは、集中力を向上させることで知られています。

経営者にとっての食事は、ただ空腹を満たすだけのものではありません。楽しむものであると同時に、脳のパフォーマンスを上げ、仕事の精度を高めるためのツールでもあるのです。

いつ、何を、どのように摂るのか。

たかが朝食、されど朝食です。それによって仕事の成果が変わるのだとすれば…。そして、よりよいパフォーマンスが発揮できるのだとすれば、今の食事を一度見直してみる価値があるのでしょうか。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部
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