患者さんから、清潔なクリニックと判断されるポイント
2016.12.21
医院の生命線でもある「清潔感」をレベルアップさせるには?Vol.1
清潔感が生命線であるのは、歯科医院も同じです。もちろん「最低限の衛生管理はきちんとしている」と経営者側は考えていますが、患者さんが清潔感を判断するポイントは、スタッフとは別のところにある場合もあるのです。
患者さんは、器具が実際に滅菌されているかどうかは判断できませんが、院内の見た目の印象から、無意識に、衛生管理や治療のやり方、ドクターの人となりまで、推測しています。入口や待合室の印象で、歯科医院全体のイメージを描いているのです。
●外観、入口
ドキドキしながら入ってくる患者さんが最初に目にする、歯科医院の入口。特に外観は、通行する人たちの目にも留まる場所で、来院のきっかけにもなります。医院の看板であるという意識をもって、清掃を徹底したい場所です。
具体的には、外壁(ヒビや泥汚れ)、駐車場(放置物)、玄関前(枯葉やゴミ)、入り口(手垢)をこまめに掃除することで、医院の顔を美しく保つことが可能になります。自動ドアのレール内や、玄関マットなども目に付きやすい場所ですので、砂やほこりが溜まっていないか定期的にチェックするようにしましょう。
●待合室
特に患者さんが手にする雑誌やスリッパなどは、一番目に付きやすいものですので、常に整頓されている状態にするとともに、古い印象を与えないよう定期的に入れ替えることも必要です。
また、掲示物の角度から床や窓枠の隅に残る汚れまで、患者さんが気付きやすく、毎日でなくとも定期的に確認すべきポイントはいくつかあります。例えば、黒ずみ汚れの出来やすいウォーターサーバーや加湿器周りは毎週水曜日に点検するなど、誰でも行えるように月間、週間のチェック項目を作っておくと便利です。照明が少し暗かったり、窓ガラスが少し曇っていたりすることも毎日働いていると気付きにくいものですが、定期的に大丈夫か確認しましょう。
改めて患者さんになったつもりで見回してみると、普段気づかない、清掃が足りない箇所や修理が必要な部分が見つかるかもしれませんね。
●トイレ
トイレや洗面台など、水回りは医院の診療を連想させる「裏の顔」ですが、きれいに磨いてあれば、患者さんに清潔感が伝わりやすい場所でもあります。
見落としがちな便座の裏の汚れやゴミ箱の中身、空調や換気口のほこりを定期的にチェックする習慣を付け、高級感を演出するには、予備のトイレットペーパーを山積みにするのではなく、1~2個をきれいな模様付きのペーパーナプキンのような薄紙で巻いておくなどのちょっとした工夫も効果的です。
開業年数が経ち老朽化している場合は、掃除を徹底するのみでは解消できない、例えばウォッシュレットがない、和式であるなどの設備的な問題があることも多く、最近のトイレは、汚れが溜まりにくかったり、節水できたりする構造のものもありますので、リフォームを検討する価値はあるでしょう。
●「清潔感」は医院の生命線
「見た目の話ばかり」と感じられるかもしれませんが、患者さんは見た目でしか判断できません。歯科医院は患者さんの口の中を治療する場であり、どこよりも清潔であってほしいと、患者さんは感じています。
数十年前は、玄関にあふれる靴や、古い本が入り交ざった本棚、1~2時間の待ち時間などは、「人気の医院だから当たり前」とも考えられていました。しかし、現在はそんな時代ではありません。
いくら治療内容がよくて、スタッフが丁寧でも、清潔ではない部分が見えてしまうと、患者さんの再来院を逃してしまったり、近所に新しい医院がオープンすると患者さんを奪われてしまったりすることも起こりかねません。
せっかくいい治療を続けているのだからこそ、「患者さん目線の清潔感」を見直してみてはいかがでしょうか?