人は見かけによる、という真実
2016.11.30
『選ばれる医院』の身だしなみVol.1
私たちは、子供の頃からそう教わってきました。しかし一方で、こんな言葉も聞いたことがあるはずです。
「第一印象がすべて」
別々に考えると、2つの言葉は矛盾しているようにも思えます。しかし実際には、この2つの言葉はまったく同じことを私たちに伝えているのです。つまり、「見た目ですべてを判断するのは危険だが、見た目ですべてを判断されると覚悟した方がいい」ということです。
たとえば車を運転している時、ふと視界に入った警備員の姿に思わずブレーキをゆるめてしまった、という経験はないでしょうか。言うまでもなく、これは警察官と見間違えた結果です。
それだけではありません。
ドラッグストアでかぜ薬を選ぶのに迷ったとき、あなたならポロシャツ姿のスタッフと白衣を着たスタッフのどちらに相談しますか?
授業参観に学校へ行ったら、首からホイッスルをぶら下げたジャージ姿の男性が前から歩いてきます。さて、その方は何の先生だと思いますか?白衣を着た女性なら、どうですか?
形の悪いクロワッサンと、きれいに形のそろったクロワッサン。同じ金額なら、あなたはどちらを買いますか?
いかがでしょうか。改めて考えてみると、日常生活の中で私たちがいかに外見でものごとを判断しているのかが分かります。
学校でジャージ姿の男性を見かけたからといって、その方が必ずしも体育教師とは限りません。白衣を着た女性といえば保健の先生というイメージは強いですが、物理の先生だって白衣を着用します。
クロワッサンの形が悪いのは1つ1つ手作りしている証拠で、きれいに形がそろっているのは無機質に機械で作られたもの、という可能性もあります。加えていうなら、味には一切関係ありません。
こうして一歩踏み込んで考えれば、単純に外見だけで判断すべきでないことは分かります。ですが、それはとても面倒なことです。だからつい、外見だけで咄嗟に判断してしまう。良いとか悪いとかではなく、人間とはそういうものなのです。だからこそ、『見せ方』が重要なんですね。
八百屋さんでは、野菜が美味しく見えるように水をかけたり、並べ方を工夫したりしますよね。時には、あえて洗わず泥をつけたままにして、鮮度を強調したりもします。要するに、それと同じことです。
スタッフが汚れたスクラブを着ていたり、サイズの合っていない大きなチュニックを着た受付けスタッフがいたりすれば、「なんかこの歯医者さん、だらしないな…」と感じるでしょうし、歩き方や話し方ひとつでも印象は大きく変わります。
歯科医院に限ったことではありませんが、治療の技術(商品のクオリティ)だけで集患することはできません。『商品の見せ方』次第で、ビジネスは成長したり、衰退したりするのです。
歯科医院にとっての商品とは、技術や空間、そしてスタッフです。端的に申し上げるなら、スタッフの身だしなみは医院の盛衰に大きく影響するということです。一度、客観的に見てみる、若しくは第三者に見てもらうことをお勧めします。