資格のあるなしは関係なく対等に
2016.10.05
職種別の悩みVol.2 -助手・受付スタッフ-
●未経験だから全くわからない
歯科助手は未経験でも就ける職業ですが、専門用語が飛び交う職場でもあります。「〇〇持ってきて」と言われても、それが何をする道具なのか、どういう形なのか、さっぱりわからず周囲に聞いてばかりになってしまいます。周りのスタッフが段階をふんで、手取り足取り教えてくれる環境ならよいのですが、余裕がなくて「こんなことも知らないの」と言われてしまうと、自分がとても無能で役立たずだと感じ、つらくなってしまいます。
●差別される
医師や歯科衛生士や歯科技工士は、国家資格で歯科医療の知識も実習で得た技術もあり、給料もそれに見合ったものとなっています。しかし、助手や受付などのサポートスタッフの場合、部外者や素人という感じでなんとなく差別されているように感じることがあるといいます。
「できない素人が、できる人間の補助をする」ととらえるのではなく、「一つの独立した仕事」として区別した方がよいでしょう。彼女たちにメインで任せる仕事を設定して、他のスタッフはその補助になるのです。みんなが対等で風通しの良い職場になることで、細部までスタッフの対応が行き届いた良心的なクリニックになるでしょう。
●医院によって仕事内容の差が大きい
仕事の割り振り方や担当させる業務が決まっていないため、医院によって仕事内容がずいぶん違い、前の職場の経験があまり生かされないことがあります。
●医学的知識がない
感染症などの知識や対策方法を知らないまま危険な仕事を任されていて、スタッフ本人にその自覚がない、というケースがあります。これでいいのか? 本当はリスクがある業務なのではないか? など、不信感を持ったまま仕事をすることはストレスとなりますし、万が一の場合大きな事故が起こる可能性もあります。
●同じ立場の同僚が少ない
個人医院など小規模のクリニックの場合、助手が一人しかいないことも少なくありません。疑問点やちょっとした不満などを言い合える同僚がいないため、もやもやとした気持ちが解決できないまま、ストレスが蓄積されてしまうのです。
●コンシェルジュやマネジャーとして活用
最近は、歯科助手や受付スタッフを「歯科コンシェルジュ」「クリニックマネジャー」という、接客やマネジメントのプロとして採用している医院も増えています。業務をしっかり分けて責任をもつ範囲を区切ることが、明るい、クリーンな歯科医院経営の実現に繋がるのです。