大切なのは、『事前準備』と『伸びしろ』です
2016.01.06
スタッフの心をつかむ医院はここが違うVol.3
人事評価についてスタッフとの面談を行う医院は多いですが、事前に、何をどう伝えるのかまで組みたてる方はほとんどいません。考えをまとめる前にいきなり話してしまった結果、
「あれも伝えておけばよかった」
「あれは余計な一言だったかな」
と後悔したという方も多くいらっしゃいます。
脅かすつもりはありませんが、特に人事評価のような場面では、何をどう伝えるかによって相手の人生を変えてしまうこともあるのです。
そこで今回は、評価をスタッフに伝えるために大切な2つのことについてお伝えします。
まず1つめは、事前準備をすること。
たとえば、ある女性スタッフが髪形を変えてきたとしましょう。ほめるにしても、
「あ、髪形変えたんだね、いいじゃない」というのと、
「あ、髪形変えたんだ? なんかすごく表情が明るくみえていいね。けっこう気分も軽くなったでしょ?」
とでは、かなりの差がありますよね。逆に、
「髪形変えたんだ? いいじゃない。前はもっと暗い感じだったもんね」
となってしまうと、褒めているのか、けなしているのか分かりません。いわゆる 『ほめ上手』 な人というのは、髪形一つにしても相手がよろこぶほめ方を何パターンも持っています。事前準備ができている、ということです。こういう人の周りには、自然に人が集まってくるものです。
もう1つは、伸びしろにフォーカスするということ。
人事評価となると、つい相手の苦手な部分に目がいってしまうもの。『評価』ではなく、『指摘』 になってしまっては、面談そのものに抵抗を感じさせてしまいます。それよりも、伸びしろにフォーカスすること。誰にでも苦手なことはあります。組織に迷惑をかけるようなレベルでは問題がありますが、そうでなければ最低限のレベルをクリアすれば充分です。
減点方式、100点満点の評価の仕方では、どうしてもマイナス面だけに目がいってしまう。同じ50点でも、
「あなたは50点です」ではなく、
「あなたのこの部分を伸ばせば、60点、70点程度ならすぐですよ」という表現にするのです。
相手を認めるところからスタートすると、驚くほどの成長を見せてくれます。おとなしく目立たないスタッフほど、小さなミスをくり返すスタッフほど、その傾向は強く、出来る部分を認められることでやる気を発揮しやすいのです。
スタッフに評価を伝えるときは、何をどう伝えるべきなのか、伸びしろにフォーカスしながら事前に準備すること。これを続けていれば、スタッフはどんどん成長します。