スタッフがおしゃべりになる魔法の質問とは?
2015.12.23
スタッフの心をつかむ医院はここが違うVol.1
ヒントは、都内にある人気の居酒屋にありました。
アルバイトスタッフが多いということもあり、スタッフの入れ替わりが激しい飲食業界ですが、そのお店のスタッフ定着率はなんと92%! これは驚異的な数字です。このお店は大学生のアルバイトスタッフも多いですが、ほぼ全員が卒業まで続けるそうです。
着目すべきは、そのお店がオープンしてから7年間続けている1つの週間=『2ヵ月に1度の個人面談』です。
社長自ら20人以上のスタッフ1人ずつと、営業の合間をぬって30分から1時間程度かけて、社員も、週1日勤務のアルバイトも関係なく行っているそうです。そして、その面談の中で必ず3つの質問をするのだとか。
1つめは、「最近、どこか遊びに行った?」
2つめは、「最近、何か美味しいもの食べた?」
そして最後に、「最近、なんか気になっていることある?」
2つめまでは雑談ですが、これでスタッフがリラックスできる環境をつくっているんですね。美味しいものに関しては新しいメニュー案の材料にもしているようです。そして最後の質問が本題。スタッフの『ガス抜き』と同時に、お店の中で起こっている問題を発見する役割を果たしています。
困ったことや悩みを相談するのは勇気がいります。愚痴と思われるのも嫌だし、他のスタッフもからむ内容であれば、何か告げ口みたいになってしまうのも避けたい。社長にこんなこと言ってもいいのかな、と思うこともあるでしょう。
ですので、「何か困ったことある?」と聞いてしまうと何も引き出せないことが多いのです。しかし不思議なもので、雑談をした後に「何か気になっていることある?」と言われると、「そういえば…」と出てくるのです。
スタッフとのコミュニケーションに必要なのは、『質』ではなく『量』です。会話の量を意識することがスタッフとの関係性の向上につながるのです。面談というのは、忙しさを言い訳についつい後回しになってしまいがちなことですので、予めスケジュールに組み込んでおきましょう。
そうすることでスタッフはどう思うでしょうか。
「私のために、わざわざ時間を取ってくれるなんて」
「今度の面談の時に、あのこと聞いてみようかな」
「スタッフのことをいつも気にしてくれているんだな」
コミュニケーション不足は、そのまま人材不足につながります。もしあなたが、院内でのコミュニケーションが不足していると少しでも感じたことがあるなら、ぜひ試してみてください。予想以上の手応えがつかめるはずです。
1つだけ注意しなければならないのは、院長が話しすぎないことです。せっかくスタッフの口から院内の問題点を引き出せても、話しすぎることで『指導』になっては意味がありませんからね。8割ぐらいの感覚で『聞く』ことを意識すると、スタッフはどんどん話してくれます。
そして、自分の話を聞いてくれる人を、「嫌い」という人はいないものです。あとは、いつから始めるか。スタッフも、きっと喜びますよ。