マネジメント

身だしなみとは“きれいな格好”ではありません!

身だしなみ

2015.08.05

身だしなみの意味と価値Vol.2

「人を見た目で判断するな」

私たちは小さい頃からそう教わってきました。言わんとすることは分かります。しかし残念ながら世の中の多くは見た目、第一印象で判断されてしまいます。ビジネスシーンであれば尚更です。例えば院長のもとに、顧客管理システムを扱う営業マンがたずねてきたとします。パリッとしたシャツと折り目がピシッとついたパンツ、そして清潔感のあるブルーのネクタイ。ジャケットにはチーフも差し込んでいます。髪の毛はタイトにセットされ、メガネもよく似合い、知性さえ感じさせます。

顧客管理システムそのものにまったく興味がなければ話は別ですが、近い将来にシステムの導入や入替えを考えていれば、「少し話を聞いてみようか」という気になるでしょう。

では、型のくずれたヨレヨレのスーツで髪もボサボサ、ネクタイにはシミのようなものが…という営業マンならいかがでしょう。おそらく話を聞く気にならないでしょう。どんなに便利な機能を持ち、高いコストパフォーマンスのシステムを取り扱っていたとしても、です。つまり本人の印象が悪いがために、取り扱う商品も信用できないということです。見た目で判断されてしまう典型的な例ですね。

さて、前者の営業マンの場合。第一印象は申し分ないわけですから、商談のテーブルにたどり着く確率は高くなります。しかし、ここでもう一つのハードルが表われます。それが第一印象の裏付けです。せっかく第一印象がよくても、この第一印象の裏付けで失敗するケースは非常に多いのです。

・カバンから取り出す資料が折れている、汚れている
・歩き方がだらしない
・人の目を見て話さない

こういうことが気になると、話を切り上げたくなりますよね。第一印象が良ければ良いほど、「何だ、見かけ倒しか」と期待もガタ落ちです。そうなると、期待を取り戻すのはほぼ不可能といえるでしょう。いくら身につけるものに気を配っても、それを裏付ける言動が伴わなければ、信頼を得ることはできません。

身だしなみとは、見た目とそれを補う言動が相まって創られるものです。清潔感にあふれ好感を得ても、動作がダラダラしていれば、「何だかだらしない人だな」となってしまうのです。

とはいえ、自分の動作を客観的に見直すのはなかなか難しいもの。効果的なのは、一度自分の動きや話し方を録画して見ることです。他人に見せる必要はありません。自分の姿を見直すのはそれなりに辛いことでもありますが、意識していなかったクセや、嫌に感じることを発見できます。特に筆者の場合、人前で話すことも多いですから、定期的に見直すようにしています。もちろん仕事のためでもありますが、生きていく上でこれからも何百人、何千人という人と接していくわけです。人と会ったときに良い印象を与えたい、と思うのは誰しも同じではないでしょうか。

きれいな格好をすれば印象が良くなるわけではありません。その言動も含めて身だしなみを整えることが、一人の人間として大切なことだと思うのです。

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【身だしなみの意味と価値Vol.1】患者さんの期待に答える身だしなみとは?

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部
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