マネジメント

モノの管理を徹底するなら、スタッフに責任を持たせることが大事

ミスの防ぎ方

2015.05.20

歯科スタッフのミスの防ぎ方 Vol.2

「あれ? お金が100円合わない…」

「おかしいなぁ。スケーラーが1本足りないんだけど…」

「ん? 何でこんなところにカルテがあるんだ?」

どこの歯科医院でも1度くらいは経験があるのではないでしょうか。モノの管理が雑になってしまう理由はただひとつ、【自分のものでもなく、誰のものでもないから】です。つまり、その “モノ” に対する愛着や責任感がないから、管理が雑になるのです。ですからモノの管理を徹底するには、それぞれに責任を持ってもらう必要があります。

例えば、受付周りの備品や文具類はAさん、器具やユニットの管理はBさん、待合室の設備や備品はCさんといったように、具体的に管理するモノを指示します。合わせて週1回程度、朝礼などを利用して管理状況の共有をすることをおすすめします。

上記の場合のAさんなら、「スタッフから要望がありましたので青のボールペンを用意しました。ひとまず5本用意しましたので、必要な方は後ほど取りに来てください」と共有します。もちろんAさんは青のボールペンをきちんと管理するでしょう。

加えて、“5本しかない青のボールペン” なら、少なくとも失くさないように気をつかうのではないでしょうか。失くしたり壊したりしたらAさんに悪い、と思う気持ちにもなるはずです。

お金の管理についても同様です。お金が合わないというのは、患者さんとお金の受け渡しを行った際の確認ミスが大きな要因と思われます。だから、受け取った金額、渡した金額を周りに “共有” するのです。

「本日は2000円頂きます」

「5000円お預かりしますね」

「それでは3000円お返し致しますのでご確認ください」

患者さんはもちろんのこと、周囲に伝わるようにハッキリと口にすることで確認ミスが激減します。よくコンビニやファーストフードのお店などで、「1万円入ります!」とスタッフが大きな声で周りに伝えていますが、あれは、受け取ったのが5千円札だったのか、1万円札だったのかでトラブルになるケースを防ぐための対策なのです。

院長は経営者ですからご承知かと思いますが、モノの管理が雑な歯科医院やスタッフが、サービスだけは素晴らしいというのは考えにくいですよね。結局はサービスそのものも雑になってしまい、患者さんは離れていきます。

しかし、そうなってしまうのはスタッフのせいではありません。そうなってしまう仕組みや管理体制のせいなのです。そして、モノの管理責任を持たせることはそれほど難しいことでも、時間がかかることでもありません。

なんだ、そんなことかと思われるかもしれません。しかし “そんなこと” ができていない歯科医院が多いのも、また事実なのです。少しだけ時間を取って、見直してみてはいかがでしょうか。

■バックナンバー記事
【歯科スタッフのミスの防ぎ方Vol.2】モノの管理を徹底するなら、スタッフに責任を持たせることが大事
【歯科スタッフのミスの防ぎ方Vol.1】歯科医院の診察予約はスタッフ全員で受け付けてはいけません!

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部
458件の開業医を成功に導いた成功事例集