スタッフがやるべきことは、手取り足取りていねいに教えること
2015.04.29
連載:スタッフのメンタル力Vol.2
そうです。何をするにもスタートの段階でモチベーションが低いという方はいません。言い換えれば、物事のスタート時点ではモチベーションが高い状態であることがほとんどです。だとすれば、理屈っぽい話になりますが、モチベーションが下がるのはスタート後ということになります。
前回お伝えしましたが、モチベーションが下がるのは本人だけの問題ではなく、経営者の配慮不足だけでもありません。お互いの関係性の希薄さです。そこで今回は、お互いの関係性を濃くすることができる具体的な方法をお伝えします。
【共通の目的を明確にすること】
自分が何のために、どう役立つのか。これを知ることは一人ひとりにとって大切なことです。つまり自分の存在意義を感じられるかどうかです。『自分が認められるように頑張ろう』と思うのは、ごく自然な人間の欲求だからです。これが実感できれば当然ながらモチベーションは上がり、それは各個人のメンタル力の基礎となります。
【やるべきこと、やらなくてもいいことを明確にすること】
当たり前のことですが、はじめて所属する組織や集団の中で自分が何を求められているか、何をすべきかがわかる人はいませんよね。わかりやすくいえば、『何をどうしていいのか分からない』わけです。でも、それが普通です。ですから、こと細かく教えるのです。『これはこうすればいい。ここは注意すべきポイントですよ』という具合です。
やるべきことは目の前でやって見せて、やらせてみる。やらなくていいことを伝えることで気持ちを楽にしてあげる。まさに手とり足とりです。もっと具体的に言えば、それを小学6年生でも理解できるレベルで伝えるのです。『そこまでして教育する必要あるんですか?』というのは、ごもっともな意見ですが、反論を恐れずに言わせて頂きます。
【その程度の考えでは、いずれ人財不足で破たんします】
70年以上も前に、山本五十六という方が残した言葉をみなさんはご存知でしょうか。
『やってみせ 言って聞かせて させてみせ ほめてやらねば 人は動かじ』
『話し合い 耳を傾け承認し 任せてやらねば 人は育たず』
『やっている 姿を感謝で見守って 信頼せねば 人は実らず』
筆者が偉そうにどうのこうの言う70年以上も前に、スタッフのメンタルの育て方と大切さは伝えられていたわけです。
■バックナンバー記事
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