一杯のコーヒーに注がれた“お互いを認める心”に学ぶ
2015.04.08
連載:あの企業に学ぶVol.1
しかしそんな飲食業界において、新卒者も含めた正社員全体の年間の退職率が “8%”という企業も存在します。【スターバックス】です。ちなみに、やはり厚生労働省から発表された平成25年度の離職率の全国平均は15.6%。そう考えると、“8%” というのは、驚異的な数字といえるでしょう。
マネジメントの現場において人財を単なるコストとしてとらえる企業が多い中、スターバックスが力を注いだのは、一人ひとりのスタッフを【認めること】です。日本全国に1000を超す店舗を持ちながら、接客マニュアルというものが存在しないというのは有名な話です。もちろん、ドリンクのレシピなどは厳格に定められていますが、あいさつの仕方からイレギュラー対応まで、目の前のお客様にどう接するのがベストなのかは、自分達で考えるのです。
やらされるのではなく、自分で考えて行動する。接客にかぎらず、店内レイアウトも、季節ごとのイベントも。スタッフは、自分の考えや努力の成果として様々な表彰制度や社内キャンペーン、明確な人事考課などにより、企業から “認められたこと” を目に見える形で受け取ることができます。するとスタッフは少しずつ自分に自信を持ちはじめ、それが企業に対する信頼へとつながっていくのです。
少子高齢化の影響で人財の確保は年々難しくなり、事業の縮小を余儀なくされる企業は増える一方です。その中で、サービスや商品のクオリティを下げることなく、店舗数を増やし続けるスターバックスの原動力は、企業とスタッフが “お互いを認め合う心” のようです。
意識して相手を認める。相手に伝わるように。
難しく考える必要はありませんが、一度じっくり考えてみるのもいいかもしれませんね。
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