ビールの聖地のミュンヘンで極上のビールを味わう
2019.09.18
世界最大のビール祭り オクトーバーフェスト 〈ミュンヘン ドイツ〉
ドイツ・ミュンヘンで毎年10月1日を最終日として9月の中旬から開催される「オクトーバーフェスト」は、ビール好きなら一度は訪れたい世界最大のビール祭りです。現在は世界各地でオクトーバーフェストが行われていますが、やはりビールの本場ドイツ・ミュンヘンのオクトーバーフェストで飲むビールの味は格別です。
200年以上の歴史を持つこのビール祭りは、1810年にミュンヘン市民が当時のバイエルン皇太子ルードヴィッヒとザクセン皇女テレーゼの結婚をお祝いしたことから始まりました。
オクトーバーフェスト期間中には、世界各国から黄金色に輝くビールが目当ての観光客でミュンヘン市内は活気に溢れています。統計によると2018年のオクトーバーフェストの来訪者は6.3億人で、消費されたビールの量は750万リットルだったそうです。
オクトーバーフェストのビール
オクトーバーフェストの会場となる敷地は東京ドームが9個入る広さがあり、この中にビール醸造所が運営する14のテントや移動遊園地が設置され大変な賑わいを見せています。
ちなみにオクトーバーフェストでビールを提供できるのは、以下のミュンヘン市内にある6つの公式ビール醸造所のみです。
• シュパーテン
• レーベンブロイ
• アウグスティナー
• ハッカー・プショール
• ホフブロイ
• パウラーナー
これらの醸造所がオクトーバーフェスト用としてその年の3月に醸造する「メルツェンビア(3月のビール)」は、アルコール度数が6パーセント前後と普通のビールより少し高めです。注文できるビールは「マス」と呼ばれる1リットルジョッキのみで、値段は10ユーロ前後です。ビールのお供としては、「ブレッェル」と呼ばれる南ドイツ特有の塩のついたパン、鶏の丸焼き、焼きソーセージ、焼きサバなどが用意されています。
オクトーバーフェストの風物詩「民族衣装」
最近ではバイエルン地方の民族衣装を着てオクトーバーフェストに出かけるのが流行です。「ディンデル」と呼ばれるエプロンドレス風の服を身につけた女性や、「レーダーホーゼ」と呼ばれる皮ズボンを履いた男性の姿が観光客の目を楽しませてくれます。
これは日本人が盆踊りや花火大会に「浴衣」を着て出かけるのと同じような感覚かもしれません。
ビールの品質を守る「ビール純粋令」
ドイツには「ビール純粋令」というものがあります。これは500年以上も前の1526年4月23日にバイエルンで発布され、食品に関する条例としては世界最古のものだと言われています。
条例では「ビールは麦芽、ホップ、水のみにより醸造されるべき」と定められています。後にここに「酵母」が加わりますが、今でもしっかりとこの条例は守られています。
ちなみにビール純粋令が発布された4月23日は〈ビールの日〉で、ドイツ各地でビールに関する催し物が開かれます。
南ドイツのビール
ドイツにはとてもたくさんの種類のビールがあり、発酵方法によりラガービール(下面発酵)とエール(上面発酵)に分けられます。ドイツで最も人気が高いのがビルスナー(ラガー)で、全ドイツのビール消費量の60パーセント以上を占めています。
ここではオクトーバーフェストにちなみ、主に南ドイツで醸造されているビールをいくつか紹介します。
– ヴァイス
ドイツ語でヴァイスは「白」という意味です。小麦粉を50パーセント以上使用した白ビールで、炭酸が効いていてフルーティーな味わいが特徴です。
– ヘレス
淡い黄金色をしたバイエルン州でポピュラーなビールです。コクがあるけれど苦味が少なく、爽やかで飲みやすいのが特徴です。
– ドゥンケル
ローストされた大麦を50パーセント以上使用したビールです。ドゥンケルとはドイツ語で「濃い」という意味で、その名の通り黒い色をしたビールです。芳ばしい香りとまろやかな味が特徴です。
– ラオホ
バイエルン州にあるバンベルグで作られているビールです。ラオホとはドイツ語で「煙」という意味で、麦芽を燻製にしたものが使用されています。癖のある芳ばしさですが、これが病みつきになるという人もいます。
観光スポットがたくさんのミュンヘン
ビールを愛する人たちと肩を並べて、極上ビールの喉越しを堪能する。明治の文豪・森鴎外も、軍医としてドイツに国費留学していた1886年にオクトーバーフェストを訪れ、こんな素晴らしい体験をしていたようです。
ビールだけではなくミュンヘン市内には見応えのある博物館や美術館があり、ちょっと足を伸ばせば白鳥城を代表とする素晴らしい観光スポットが盛りだくさんあります。
次の旅先は「ビールの聖地」ミュンヘンに決めて、極上のビールを楽しんでみてはいかがでしょうか?