インタビュー

相手が伝えたいと思っていることを汲み取ろうと常に意識しています

2020.11.15

ライター・ラジオパーソナリティ:鈴木 淳史氏インタビュー

関西の某情報誌の編集者としてキャリアをスタートさせ、
その後、ライター・ラジオパーソナリティなど多岐にわたり活躍する鈴木淳史氏。
人から話を聞き出すプロフェッショナルとしての流儀や、
「好き」を仕事につなげるための心構えなどを聞いた。

インタビュー対象者が話しやすい空気作りを心掛けています

―どのような青年期を過ごされましたか?

鈴木 淳史(以下、鈴木)「幼少期から協調性があまりなかったそうです。そのため、団体行動や同級生とのコミュニケーションも決して上手くなかったですね。ただ、何か好きなことを見つけるととにかく没頭していました。プロレスやテレビに夢中になり、本や雑誌も読み漁り、そして音楽やお笑いも好きになって……。クラスでも浮いていましたが、サブカルチャーという〝自分の好きな世界〟があったので、そこまで孤独や不安は感じませんでしたね。大学に入ってからも、性格や趣味嗜好は変わらずで(笑)、将来の仕事のことに関しても自分の好きなことしか興味を持てないと決めつけてしまう、幼稚な大学生だったなと思います。でも、今となっては、そこが自分の強みだとも思っています」

―大学卒業後は関西の情報誌やテレビ誌の編集の仕事に就かれたそうですが、まさに天職といった感じだったのでしょうか?

鈴木「テレビ誌の記者時代は、ほぼ毎日、テレビ局に取材で出入りが可能だったので、そこでテレビマンや新聞社の先輩方と交流を深めることができました。普通だとなかなか見られないバラエティの台本を読めたり、生番組や収録をスタジオで観られたりといった時間は刺激的でしたね。そこから縁があり、あるラジオのプロデューサーとの出会いで2004年から2010年まで、歌手の大西ユカリさんのラジオ番組でコントなどの構成作家をさせてもらいました。そのころはまさか、自分がラジオでしゃべるとは思ってもいませんでしたが……(笑)」

―インタビュアーやライターとして大事にされていることは何でしょうか?

鈴木「インタビュアーは裏方の聴き手なので、とにかくインタビュー対象者が話しやすい空気を作ることを意識しています。その昔、憧れのダウンタウンのお2人に、故郷である兵庫県の尼崎に関してのインタビューをする機会があったのですが、尼崎の街、お2人の母校や馴染みの店、同級生などの写真があったら盛り上がるのではないかと思いつき、取材前日に、尼崎の街を写真撮影しながら歩き回りました。当日、まずお2人の同級生の写真をお見せしたら、笑ってくださり、たくさん話をしてくださったんです。そういった〝空気作り〟は大事にしていますね。また、書き手としても相手がどのようなことを書いて欲しいかを、意識するようにしています。それは〝提灯記事〟という意味ではなく、相手が伝えたいと思っていることを汲み取ろうと意識しているという意味です。他のインタビュアーが聞き出していないこと、書いていないことを、僕が聞き出して書きたいという思いは常にあります」

自分を出さないと相手に思いは通じないと実感しました

―現在、朝日放送ラジオ(ABCラジオ)の「よなよな…なにわ筋カルチャーBOYZ」でDJをされてますが、自分の思いを言葉として伝える際の心構えや難しさ、楽しさなどについてお聞かせください。

鈴木「常に〝自分は裏方なんだ〟という思いがあるので、ゲストを招いてのインタビュートークなどは普段の雑誌インタビューと同じ感じでできましたが、それ以外の普通にしゃべる部分はすごく恥ずかしさと照れがありました(笑)。しかし回を重ねるごとに、AMラジオではDJというよりパーソナリティと呼ぶことが多いのですが、その名の通り、自分のパーソナリティを出さないと、リスナーには何も伝わらないと痛感しました。そこからは、はっきりと自分のパーソナリティを出すように心掛けています。日常生活でもそうですが、結局、格好をつけていたり、自分を装っていたりしていたら、相手にこちらの思いを伝えることなどできないですから」

―「趣味」「好きなこと」を仕事につなげようと志す方にアドバイスはありますか?

鈴木「何でもできる器用な人より、何かに没頭していたり、1つのことに長けている偏った人の方が、自然とその道に進めると思います。僕がそうであったように、たとえそのことで周囲に上手く馴染めなくても、空気を読む力を養って、問題となる行動を起こさないようにしていれば、いい人との出会いもあり、おのずと道は開けると信じています」

―将来的な夢やビジョン・展望をお教えください。

鈴木「コロナ禍で雑誌は休刊や廃刊が増えました。音楽や演劇といった生の舞台を大切にするカルチャーも、非常に厳しい状況に置かれています。そんな昨今ですので、流行や旬に流されず、自分たち独自の道を貫くカウンター的な立ち位置の演者は、今まで以上に露出が減り苦境に立たされる場面が多いと思っていますので、その人たちが良い表現を続ける限りは、しっかりと伝える場面を作りたいですね。ラジオで言うと、今の番組も始まって7年目に突入したので、例えば深夜枠ではなく、朝や昼とか夕方とか、もっと多くの人に聴いてもらえる時間帯にも挑戦してみたいです。いずれにしても、自分の好きなものをずっと応援して、多くの人に届けて知ってもらうという基本的な精神は、今まで通り全く変わることはないでしょうね」

 

鈴木 淳史(すずき・あつし)

1978年2月2日生まれ。大阪府吹田市出身。兵庫県芦屋市在住。関西の情報誌・テレビ誌の編集者として活躍後、フリーランスライターとして音楽を中心としたカルチャーの記事を執筆。現在はライター業をこなしながら、2014年春より朝日放送ラジオ「よなよな…なにわ筋カルチャーBOYZ」(毎週木曜夜10時~深夜12時半)でパーソナリティー兼構成を担当している。

 

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