税務調査は、1本の電話から
2016.12.19
医院に税務調査がやってきた!Vol.1
「○○税務署です。○○税の調査をさせていただきたいのですが…」
今、この記事をお読みになっている先生方の元にこのような電話がかかってきたら、落ち着いて対応できそうですか?
もちろん、「やれやれ、久しぶりにまた来たか」という感じで慣れた対応をされる先生もいらっしゃることでしょう。その一方、初めての税務調査という方や、以前に苦い経験をお持ちの方など、うまくやる自信がないという先生もいらっしゃるのではないでしょうか。
ただ、税務調査と言っても、例えば映画やドラマのように、いきなり乗り込んでくるようなことは滅多になく、税務署から連絡が来たら、顧問の税理士事務所に連絡を入れ、スケジュール調整や相談をして臨めば大丈夫です。
■税務調査のタイミングと論点
ところで、税務調査は、どのくらいの確率で、どんな論点で入るのでしょうか?
大きく分ければ、3つの論点があります。
1.周期的な要因の場合
2.その年・その署などで注目論点がある場合
3.その納税者に個別の注目論点がある場合
1.周期的な要因の場合
ある程度以上の法人には、3~7年に一度、税務調査が入るのが一般的です。病院・診療所は、一般企業・一般事業主よりも税務調査が多いのでは? という意見もあるようです。
それは医療関係だからというよりも、むしろ、単なるフリーの仕事や個人商店と比べて、病院・診療所は初期の設備投資が大きく、売上・利益も同規模の法人・個人よりも良好なことが多く、税金のボリュームも大きくなることから調査対象になりやすいといわれています。
しかし、そんな中にも、かなり長期間一度も税務調査が来ていない医院が法人・個人問わず存在するのも事実です。
2.その年・その署などで注目論点がある場合
その年・その署で、業種やポイントを絞って網羅的に税務調査をするケースがあります。
この場合は、身構えなくて大丈夫です。一応確認する、というスタンスなので、対応時間も短く、是認で終わることも少なくありません。
3.その納税者に個別の注目論点がある場合
特定の納税者を狙って行う場合は、様々な要素が考えられますので、事前に顧問税理士と相談しましょう。
ある程度場数を踏んだ税理士であれば、税務署の狙いの読みや、不安な点の対処など、アドバイスをくれるはずです。
税務調査の対象となりやすいケースをあげてみます。
*非経常的な利益・損失を出したとき
*消費税等の還付申告をしたとき
*収入の構成が変わったり、現金取引が増えたとき
*開業後、まだ一度も税務調査がなく数年経過したとき
*相続や大規模な贈与・資産の売却があったとき
思いあたることはありますか? もしあれば、そろそろかもしれないな、と心の準備をしておけば、いざ連絡があっても落ち着いて対応できることでしょう。