親子で作るエンディングノートは想いを受け継ぐ機会
2015.01.13
連載:エンディングノート Vol.2
エンディングノートを準備したら、最初のページから順を追って書く必要はありません。書きやすいところからどんどん記入していけばいいのです。
また、何度でも書き直せるのがエンディングノートのメリットですから、あまり身構えずに「とりあえず書いてみる」ことも重要です。書いているうちに自分の考えが整理できて、さらに書き進めることができるでしょう。
記入する際に注意したいのは、最終的には家族が読むということ。日記であれば、誰にも見せることはありませんから、自分の考えをストレートに書いても問題はありません。しかしエンディングノートは、相続が発生した際などに家族が読みます。親とはいえ、自分を批判するような内容が書かれてあれば、読む子供は気持ちがいいはずはありません。常に読む人を意識して書くようにしましょう。
最近では、エンディングノートを書くための講座を実施している自治体もあります。神戸市では2014年11月に「終活~エンディングノートの活用~」と題しして無料講座を開催しました。宮崎市は無料のエンディングノート「わたしの想いをつなぐノート(わたしノート)」を作り、希望する市民に配布しています。終末医療に焦点を当てているのが特徴で、医師や看護師、ホスピス関係者らと協議して作られた日刊葬儀新聞のサイト(http://recordasia.co.jp/funeral/)はパソコンで記入できるエンディングノートを、無料でダウンロードすることができます。
子供の立場からしても親がエンディングノートを残してくれることはありがたいですが、すでに高齢で自分では記入できない場合もあると思います。そんな場合は、親子で作ることを前提にしたエンディングノートも販売されています。子供が親の希望を聞きながら、必要事項を埋めていく方式です。
親子で作るエンディングノートには、別の効用もあります。記入するためには、親の話をじっくり聞くことになりますが、それが親孝行につながるのです。親子といえども時間をかけて話をする機会はあまりありませんよね。別居している場合なら、なおさらです。子供が自分の話を聞いてくれるほど、親にとってうれしいことはないのです。
その際のポイントは、いきなり財産の話をしないこと。昔の思い出話やこれから行きたい場所、やりたいことなどを中心に聞きましょう。財産については、通帳などがどこに保管されているかなどを聞いておくことができれば、相続が発生した時にスムーズに手続きできます。
■バックナンバー記事
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