税務調査の流れ
2016.12.26
医院に税務調査がやってきた!Vol.2
まずは、顧問税理士の事務所に連絡を入れましょう。そうすれば、事務所の担当者が主導してくれるでしょう。
先生が何か不安をお持ちの場合も、税理士事務所に相談することで意外と簡単に解消するものもあるはずです。
また、仮に顧問税理士がいない場合も、誰か税理士の立ち会いを依頼した方が、スムーズに進み、先生がご自身で税務署と渡り合うよりも、結果的に時間・コストの節約になる可能性が高くなります。特に始めての税務調査という方には、不安を事前に解消しておくという意味でも、一度検討してみられることをお勧めします。
通常は次のような流れです。
1 実地調査のスケジュール調整
2 実地調査の準備(書類の準備・税理士との事前打ち合わせ)
3 実地調査当日
4 持ち帰り事項の精査
5 修正申告と追加の納税
1 実地調査のスケジュール調整
先生ご自身や病院・診療所の経理担当者・税理士・税務署係官で実地調査の日取りを決めます。
この時に先生ご自身がすべきことは、短時間だけ顔を出すことのみです。診療を休んだりする必要はありません。ご自身の仕事を優先し、まる1日かかる対応や細かいことは、経理担当者や税理士に任せましょう。
2 実地調査の準備(書類の準備・税理士との事前打ち合わせ)
実地調査で必ず見るような書類は、事前に準備しておきます。必要な書類は、税務署係官や税理士に指示を仰ぎましょう。初めての調査や重い論点がある場合などは、税理士と事前打ち合わせしておくと安心です。
3 実地調査当日
朝10時から夕方5時くらいが一般的で、お昼は1時間休憩です。
ごく軽い調査では半日、個人や小さい事業者では1日で終わることもありますが、法人の場合など、2日~数日かかることが一般的です。
お昼休憩で係官は一度席を外しますので、このタイミングで税理士に相談したり、アドバイスを受けたりすることができます。
4 持ち帰り事項の精査
調査当日は時間に限りがありますので、資料の精査に時間がかかりそうなポイント、後日追加で確認したい資料、当日結論が出なかったポイントなどは、翌日以降に持ち越しです。結論が出るまで、数日~数週間かかります。
5 修正申告と追加の納税
何も否認事項がなかった場合は是認で調査終了です。
ひとつでも否認事項があれば、修正申告と追加の納税です。納税は、本税(法人税や所得税)のほかに、加算税・延滞税もあります。
修正申告と納税が完全に終了するまでの期間は、短くて数週間、長ければ数ヶ月です。