開業医のミカタ

不動産投資の知られざるリスクとメリット

開業医 不動産投資 リスク

2016.10.26

医師の不動産投資を成功へ導くポイント

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不動産投資(マンション経営)をはじめようかと検討中です。生命保険効果、私的年金がわりになるなど、なんとなくメリットは理解できますが、素人には分からないリスクがあるのではないかと不安になります。どんなところに気をつけた方が良いでしょうか?

先生10

■相談者プロフィール
医療法人理事長(耳鼻咽喉科) T様(45歳)
家族構成
奥様(33歳:医師)、長男(5歳)、次男(3歳)
売上:約20,000万円/世帯収入:5,000万円
Answer

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■成り立ちと種類

まず、不動産投資とは一体何か? を、成り立ちから説明します。歴史をさかのぼると、諸説ありますが、初めて不動産に関する法律ができたのは、奈良時代中期。3世代しか自分のものにならないという三世一身の法(723年)の制定だと言われています。

また不動産賃貸業の始まりは江戸時代、商人が長屋を買い取り、庶民に貸し付けたことだそうです。以来、不動産のカタチは変わり…ビル、アパート、マンション、駐車場、証券(REIT)など変遷を続けております。

さて、投資の観点から不動産投資は2種類に分けられます。自己所有の物件を他者へ売却する方法(キャピタルゲイン)と、人や企業に貸して、賃料を得る方法(インカムゲイン)です。

キャピタルゲイン目的であれば当たり前ですが、所有不動産が購入金額よりも高く売れることは成功で、下回ると失敗となります。しかし長期的に賃料を得るインカムゲイン目的の場合、「所有不動産を売る」という選択肢はなく、成功失敗の境目は投資期間中、賃料が入り続けるかどうか。想定賃料が入り続けることが100%だとすると、私の経験上90%以上の入居率が成功の目安になります。

■巷に溢れる偏った情報

ところで、「不動産投資に関する書籍に書いてあることは本当ですか?」と、医師の皆さまからよく質問を受けます。「利回りは8%以上じゃないとダメ」だとか、「アパート経営がいい」とか…巷には情報が溢れています。

しかしこれらの見解は、どこかに偏る傾向にあります。これは当たり前の話で、その企業、もしくは著者の利益都合によるものなのです。ビルテナントを販売する会社代表が「ビルオーナーよりアパート大家さんになりなさい!!」などという書籍を出版するでしょうか?(逆に信用されるかも?)

投資の本来の意味は、「未来に成長する可能性がある案件(企業やプロジェクト)に、余裕のある人が期待をこめて長期的に出資し、最終的に見返りをもらうことである」前回(Episode14『海外投資の“ホント”のこと』)でお伝えしました。

T先生の検討されているマンション経営に言い換えると、「生活基盤である“住”の部分を、未来ある若年世代や企業に提供し続け、自身がリタイアを迎えた時、労せず収入を受け取る投資」…といったところでしょうか。そこに立ち戻って考えてみるのも良いかも知れません。

ちなみに私の書籍「開業医のための資産形成術」は、医師、開業医のみなさまに資産形成の考え方を体系的に知っていただくことで、当社の更なる認知度アップにつなげることが目的です。正直なところ読者からコンサルティングのご依頼が増えたらいいな…という下心は当然ありますけどね…。

開業医 不動産投資

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医師の不動産投資の失敗(リスク)。それは、購入目的の曖昧さが原因になります。

投資不動産を既にお持ちの医師の方に購入理由をうかがうと、「営業マンの男気が気に入った」とか、「熱意に負けた」、「オーナーになるというステータス」…など不動産投資の目的の本質とは逸脱したものがほとんどです。その結果、不動産投資への期待値と成果に“ずれ”が発生してしまうのです。

そもそも不動産投資商品はそれぞれ種類や購入方法で性格が変わります。

“生命保険の代わり”であればすべて住宅ローンにし、付随するオプションがいいものを選んだ方がいいですし、“本気で節税”なら、極端な話、高級総ヒノキ作りのアパートを建て、入居人を募集することなく、収入のない状態で減価償却していくのが、大幅な赤字経営となり、損益通算の観点から見ると効果抜群です。

はたまた“相続”目的ならば、全額現金で購入し、誰かに貸しておけば相続時の評価はかなり下がります。ご自分の将来を考えて“20~30年後のリタイアに向けた収入づくり”であれば新築物件がいいですし、“リスク自体を軽減”したいなら一棟で持つより、小分けにして区分で所有する方法が適しています。さらに、“本気で儲けたい”と思うなら未開発の海外の土地を購入し、値上がりするまでじっくり待つことも一つの手。

このように、投資の目的とルール(リスク許容など)によって選択していくと、おのずと種類が絞られてきます。

T先生が世帯年収5,000万円だからという理由だけで物件評価に関係なく融資する金融機関もあります。その場合は付き合いのない金融機関に自身がドクターであることを明かさず、購入予定物件の評価(いくら融資してくれるか?)を知ることが、将来的な危機回避に有効な手立ての一つになります。

是が非でも買ってもらいたい不動産業者と、どうしても融資を取り付けたい金融機関の甘い誘惑が本当のリスクといったところでしょうか。

開業医 不動産投資

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医師の不動産投資の本当のメリットは節税やインフレリスク軽減よりも、投資効率のよさにあります。

例えば1,800万円の単身者向けマンションを現金で購入し、月々7万円の家賃収入がある場合、年間84万円の収入ですので、84÷1800=0.046で利回り4.6%の投資商品になります。  

不動産投資は普通預金(現在の金利0.001%)と比較すると、4,600倍の利息になります。また1,800万円すべて住宅ローン(金利1.8%)を組み、30年間で返済しきったとして、実際にかかる投資費用は約500万円。84÷500≒0.16で利回り16%(継続的家賃収入がある場合)。「不動産投資は時間をかければかけるほど投資効率が上がる」唯一無二の投資手法です。

十数年前、2,000万円の物件を800万円で売却し、「損をした!!」と嘆いていらっしゃったクライアントに「その物件は今、誰のもので、どれだけ収益を上げているんでしょうね… 」と言うと、激しく後悔されていました。短くても10年、長くて30年間じっくり見守っていくことで、メリットを享受できるのが不動産投資なのです。

【Plus One Advice】知ってて得する!恒吉のプラスワンアドバイス

まとめ

■不動産投資“4つの成功要因”

不動産投資成功には、大きく4つのポイントがあります。

①物件の収益性の高さ
②建物と入居者満足度維持管理
③投資計画(出口戦略)
④不動産投資の目的

①は大前提です。②は、入居者の満足度管理、退去時の迅速な募集対応と他との差別化が長期投資には必要不可欠です。また、キャッシュフロー表により③を行うことが成功につながります。最後に、④をしっかり持ち、最悪のリスクとメリットの天井をしっかり把握しておくことです。

これらをおさえておけば大丈夫…と言いたいところですが開業医のみなさまは日々お忙しく、大家業に転身しない限り、困難なお話。開業医の不動産投資の成功のポイントは結局、「誰から買って、誰にどこまで任せるか」に行き着きます。安心して任せられるプロがついていることが成功のカギなのです。

ある平日の午後のこと…スマホが鳴り、

「D証券のUです。30秒で終わります!!」
「はぁ? 仕事中なんですけど…」
「JR九州が上場することご存知ですよね?」
「あっはい…」
「25万円から購入できますので是非是非ご検討ください!! ではまたご連絡お待ちしております!!」
ピロリン(通話終了)

いまだにこんな大企業の天然記念物級の投資勧誘手法がはびこってるということは、カモにされる方もまだまだたくさんいるんですね。遺憾です、イカンです。

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正しい友人というものは、あなたが間違っているときに味方してくれる者のこと。正しいときには誰だって味方をしてくれるのだから。

- マーク・トウェイン(米国の小説家「トム・ソーヤーの冒険」の著者/1835~1910)

開業医のミカタでは、いまさら聞けないけど知っておきたいなどのご質問も受付けております。次回もおたのしみに!

■プロフィール
恒吉雅顕(つねよしまさあき)
1972年福岡県生まれ
様々な業種を経験後、2006年/株式会社インベストメントパートナーズ設立メンバーとして参画
2014年/公益法人日本医業経営コンサルタント協会コンサルタント認定登録

開業医に関わる様々な問題解決を経営面、ライフプランから独自の視点でコンサルティングし、現在までに約500人の実践的資産形成の設計を行う。

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イラスト:かたおかともこ