Q&A

マイナンバーってよくわからない?医院への影響は?

マイナンバーってよくわからない?

2015.08.26

医院にマイナンバーが導入されるとどうなるか?影響は?

マイナンバーってよくわからない?

マイナンバー制度とは、どんな内容で、それが医院経営や暮らしに、どのような影響を及ぼすのかいまいちピンときません。

預金に課税されるとか、事務手続きが面倒になるとか言われていますが、実際のところどうなのか教えてください。

先生4

■相談者プロフィール
医療法人 理事長K先生(48歳)
開業10年目/売上1億2,500万円
総資産:2億5,000万円
Answer

富裕層は個人資産を丸裸にされる

■高所得者、資産家にとってのデメリット

マイナンバー法の導入の目的は前述の通りですが、今後、個人の預金口座や不動産や車の登記・登録情報にも紐づけしていく方針で議論が進められています。

制度をよく知るために、「経済財政運営と改革の基本方針2015」いわゆる骨太の方針2015に目を通してみました。歳出改革について要約すると、官が抱えていた情報をオープンにして、民間と協力して無駄をなくし、経費の効率化に成功した自治体には報酬を。

さらに成功事例は横展開していくというものです。またマイナンバー制度導入によるIT化により業務の簡素・標準化に重点的に取り組むとも記されています。

歳入改革については、はっきりと「経済成長と税収増をより確実なものとする」と明記され、具体的には「マイナンバー制度を利用し…金融及び固定資産情報と所得情報をマッチングするなど、マイナンバーをキーとした仕組みを早急に整備するとともに、税・社会保険料徴収の適正化を進める」とあります。

経済財政運営と改革の基本方針2015 ~経済再生なくして財政健全化なし~

今年1月に来日したフランスの経済学者トマ・ピケティ氏が、資産税の必要性について説いていますが、この準備段階に入ったのではないかと推測されています。

すでに7月から出国税※1が導入、来年1月からは財産債務調書※2の提出が必要となり、さらに法案改正で金融及び固定資産情報にも紐づけしていけば、個人の国内外の総資産が丸裸にされ、国が一元管理し、徴税強化に踏み切るという算段です。

富裕層にとって、個人資産が白日の下にさらけ出され徴税強化される日が、秒読み段階になっていることは脅威なはずです。

※1 海外へ移住する場合、1億円以上の有価証券を利益確定しなくても含み益に関して課税される
※2 平成28年1月1日より、所得2,000万円以上かつ3億円以上の総資産または1億円以上の有価証券を所有している場合、毎年時価の報告が必要

マイナンバー内閣官房サイト

■開業医にとってのメリット

2018年から段階的に導入されるカルテやレセプトにマイナンバーが利用されると、二重検査や二重投薬を避けられ、医療費削減につながり、また適切な医療提供と関係機関の連携による費用効果の高い治療と、蓄積されたデータ分析により技術の向上が図られます。

ご存知の方もいると思いますが、佐渡市では2013年3月から既に、さどひまわりネットというNPO法人 佐渡地域医療連携推進協議会が立ち上げたシステムに、平成27年7/15現在、72の病院、診療所、歯科診療所、薬局、介護施設が参加し、約6万人中、14,286人の島民が同意し、今もなお利用者は増え続けています。

電子カルテシステム導入なしに、カルテ、レセプト、画像データを自動で収集し、病院では必要な検査と治療、リハビリは介護施設に任せ、少子高齢化が進む中、医療の地域連携を自主的に行っています。国や自治体、医師会の運営ではなく、参加施設の利用料で運営しています。

クライアントの方から「〇〇医院で治療しても治らなかった」などの、他の医院からの患者さんを受け入れるケースをよく耳にします。マイナンバーにて治療履歴や画像閲覧できると、即時に治療計画が立てられ、患者さんから感謝されるケースも増えるかもしれません。

さどひまわりネットサイト

【Plus One Advice】知ってて得する!恒吉のプラスワンアドバイス

医院へのマイナンバー導入で覚悟しておくこと

①徴税強化で医院経営への影響は?
税収増以外に政府が財源確保として期待しているのは、厚生年金未加入企業(医院)からの保険料徴収による社会保障費の収入増です。

医療法人では稀かも知れませんが、厚生年金に加入が必要な個人開業医で、未加入のままの医院は少なくないのではないのでしょうか? 

今後、源泉徴収票や給与支払報告書などにマイナンバーが記載されるため、厚生年金加入か未加入かの調査は容易になり、所得の高い医院から狙い撃ちされると考えられます。

②院長の業務負担は?
マイナンバー制度導入に際し、院内ではさまざまな準備が必要となります。番号収集にあたって対象者の洗い出し、管理する仕組みおよび安全管理への措置など想定を超えた対応が必要になるとなるでしょう。

企業であれば、これらの業務は人事部や総務部で行うことになりますが、このようなことを院長自身で対応しなければなりません。

これを機に、医業以外の業務は事務長や外部コンサルなどにアウトソーシングし、医業に専念できる環境づくりを工夫していくことが必要となってくるでしょう。

開業医のミカタでは、いまさら聞けないけど知っておきたいなどのご質問も受付けております。次回もおたのしみに!

恒吉雅顕

■プロフィール
恒吉雅顕(つねよしまさあき)
1972年福岡県生まれ
様々な業種を経験後、2006年/株式会社インベストメントパートナーズ設立メンバーとして参画
2014年/公益法人日本医業経営コンサルタント協会コンサルタント認定登録

開業医に関わる様々な問題解決を経営面、ライフプランから独自の視点でコンサルティングし、現在までに約500人の実践的資産形成の設計を行う。

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イラスト:かたおかともこ