開業医のミカタ

医院の法人化って売上いくらから考えたほうがいい?

【開業医のミカタ】500名の実績!歯科開業医専門資産形成コンサルタント 恒吉雅顕が 皆さまの質問にお答えします「今月のお悩み」法人化って売上いくらから考えた ほうがいい?

2015.05.28

医院の法人化は、売上いくらから考えるべき?

医院の法人化って売上いくらから考えたほうがいい?

歯科開業医のWと申します。ここ数年、売上が伸びており、顧問税理士から医院を法人化したらどうかと勧められております。

平成26年度は売上9,000万円を超え、個人の所得額が約2,800万円で、専従者である妻の収入も合わせると、合計約3,300万円になります。

医院の法人化は売上がどれくらいになったら考えればいいか、また設立のタイミングなど教えて下さい。

相談者

■相談者プロフィール
歯科開業医W先生(60歳)
開業20年目
奥様:専従者(経理中心)
長男:歯科大4年生(下宿)
長女:高校2年生
Answer

売上より目的を明確にしましょう。

■「医院の法人化と売上の関係」について

法人化について、まず第一に考えたいのは、目的を明確にすることです。
  • ・節税
  • ・雇用の確保(看護師、歯科衛生士など)
  • ・事業拡大(分院展開)
  • ・事業継承などなど

“なんのために”医院を法人化するか…自分にとっての目的を明確にすることが大切です。

そして次に考えるのが、法人化によるメリット。以下の3つの条件をクリアしていれば、法人化する意味があります。

  1. ① 個人の所得税率が40%を超えている。(所得税、住民税の軽減)
  2. ② ライフプラン上で、家族で将来多額にお金(住宅ローン、学資など)が必要ではない。
    (法人退職金の積立、使える経費アップ)
  3. ③ 将来親族が継承もしくは他の後継者が引き継ぐ予定がある。(贈与、相続税の軽減)


では、W先生の医院の場合はどうでしょう。所得税率も40%で住民税と合わせると50%になるので、①はクリアしています。

②はご長女の進路が未定だとして、医歯科系私大の学費をライフプラン上に入れ、それでも十分な貯蓄があればご検討の余地はあります。

そして③は売上から、地域の中でも来院される患者さんが多いのではないかと考えられます。

将来的にも地元住民の方に必要とされる医院であれば、ご長男の継承の可能性が高いはずです。歯科医師のライセンスを取得されたタイミングで、ご本人の意思を聞かれてみてはいかがでしょう。

■医院の「法人化のタイミング」について

医院の法人化は、①、②、③をクリアしていれば、今すぐにでも!

もしくは「ご長女の進路が確定」「ご長男の継承意思が確認」できたタイミング。
さらに、まだ先でもいいとお考えなら「リタイア時期」でもいいと思います。

法人化のスケジュールは各自治体で異なります。しかしどこでも年間に2回申請できます。法人化は、医院の方向性を決める大事な意思決定。上記のことをじっくり考えてからでも遅くはありません。

そして「目的」と「スケジュール」を踏まえ、もう一度顧問税理士さんにご相談されてはいかがでしょうか。

その際、いろいろな専門家にご相談することをお勧めします。ただし、個人事業のままでも節税のみが目的であれば、まだまだやれることがあるかもしれません。次にその点をご説明しましょう。

【Plus One Advice】知ってて得する!恒吉のプラスワンアドバイス

個人事業でできる節税の方法を見落としていませんか?

個人事業で節税ができる可能性は、もうありませんでしょうか?

右図は毎年一回は税理士さんから報告を受けておられると思いますが、平成26年度の確定申告書第一表です。

わかりやすく言うと、この表の①→②→③を経て、④で所得税の額が決まります。

  1. ①収入金額(売上)
  2. ②所得金額(年収)
  3. ③所得から差し引かれる金額(控除)
  4. ④税金の計算

①は経営面での可能性です。
主なところでは以下です。

確定申告書第一表

・配偶者への過小な専従者給与
・配偶者以外の親族への給与支給
・仕事でも使う車両の使用割合分の減価償却費
・スタッフ、取引先との会食(福利厚生、会議費)
・税制優遇を利用した設備投資(少額減価償却資産(30万円未満)、生産性向上設備投資促進税制)

税制優遇については、毎年各省庁から発表(税制大綱など)されるのでチェックが必要です。
生産性向上設備投資促進税制について(経済産業省ホームページ)

もしかしたら…と感じたら、顧問税理士さんに相談した方が、医院とご自身のためです。

確定申告書第一表の②は、不動産運用の損益通算です。帳簿上の赤字を所得と合算し、年収を下げる方法です。ここが黒字の方は増税になっています。

確定申告書第一表の③は、各種控除になりますが、一般的に全額控除になる小規模企業共済退職金積立(年間最高1人84万円、本人と共同経営者2人まで)や、ご両親の扶養、ふるさと納税などです。

詳細は次回以降に紹介していきます。

■プロフィール
恒吉雅顕(つねよしまさあき)
1972年福岡県生まれ
様々な業種を経験後、2006年/株式会社インベストメントパートナーズ設立メンバーとして参画
2014年/公益法人日本医業経営コンサルタント協会コンサルタント認定登録

開業医に関わる様々な問題解決を経営面、ライフプランから独自の視点でコンサルティングし、現在までに約500人の実践的資産形成の設計を行う。

Answer

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イラスト:かたおかともこ