MANAGEMENT

自由診療と歯科医院のチーム術

自由診療 歯科

2017.01.25

患者さんの潜在ニーズを引き出すには

少子化や虫歯の減少で、治療のために来院する患者さんは減ってきています。競争の激しい歯科業界で、医院そのものが生き残っていくためには、来患者数と単価のいずれか若しくは両方を上げていくための取り組みが必要となります。その中でも、医院として「自由診療」をどのように組み込んでいくかの指針を持つことが重要成功要因の1つになりますので、今回は「自由診療」をうまく取り入れられている医院の事例をご紹介します。

●一番の営業は、医療スタッフの言葉

近年、多くの歯科医院が自由診療を宣伝し、かなり自由診療が身近な存在になってきていますが、未だに保険の範囲内での治療を求めている患者さんは多く存在するのは事実です。ただ、その「保険の範囲内で…」と言われる患者さん全てに自由診療のニーズがないわけではありません。潜在的に自由診療のニーズのある患者さんに対して、どのようなアプローチが有効なのでしょうか?

高額な設備を導入し、単に審美治療やホワイトニング、インプラントなど「自由診療」を始めただけで、自然と患者さんの方から声がかかるということは期待しにくいものです。

自由診療を増やそうと考えた時に、まず思いつく方法は、広告を利用して自由診療を宣伝し、希望する患者さんを外部から呼び込むことでしょう。ただし、その方法をメインで集患していこうと思うと競合医院と熾烈な患者さんの奪い合いをする覚悟が必要です。

それ以外には、すでに通院している既存の患者さんの中に、自由診療のニーズを掘り起こすという方法もあります。スタッフが診療中に患者さんの悩みや要望に応じて、自由診療の選択肢があることを伝えるのです。

「黄ばみが気になるならホワイトニングはいかがですか?」
「目立たないセラミックの詰め物は、保険の金属に比べて変形が少なくて長持ちしますよ」

来院している患者さんに、口頭で自由診療をおすすめするだけであれば、広告費はかかりませんよね。ただ、そのためには、スタッフが自由診療に関する十分な知識を得て、患者さんがきちんと判断できるよう説明することが必須です。

●自由診療をおすすめする例

ほかの患者さんの成功例を話すことは非常に有効です。「2か月前にインプラントにされた患者さんは、肩こりが改善したそうですよ」など、実際に来院されている患者さんの例を聞くと、安心して治療に踏み切れたという事例もあります。

なんとなく怖いから、よく分からないから、高そうだからなどというイメージばかりが先行し、もう保険で出来る範囲だけでもいいかなぁと選択肢が除外されていることはよくあります。そのようなケースではこういったちょっとしたお声かけが患者さんの背中を押すこともあるのです。

例えば、受付でリーフレットに興味を持っている患者さんがいた場合には、「インプラントをお考えですか?」「ホワイトニングも1回コースや、ご自分でできるホームホワイトニングなど、お好みで選べるんですよ」などと声をかけ、多くの方が不安に思われていたり、よく質問があったりする、値段やメリット・デメリットなどの項目に関しては院長以外のスタッフでもその場で答えられるようにしておくことで、患者さんの安心感は高まるでしょう。

そして、迷っているようであれば、「一度カウンセリングを受けて、先生に相談してみませんか」と提案してほしいなどと、自由診療提案における導線をはっきりさせておきましょう。

これは医院にもよりますが、衛生士などのスタッフの方が患者さんと接している時間が長い場合もあるでしょう。そのスタッフが患者さんのちょっとした言動に気付き、不安や疑問を解消することができれば、患者さんの潜在ニーズを引き出し、選択肢を増やし、より満足度の高い治療の提供、医院経営の安定化へとつながっていくのです。

一緒に働いているスタッフの方が、院長と一緒に医院を盛り上げていこうという意識を持って働いてくれることで、自発性が生まれ、院長自身が関わりきれない部分で患者さんの思いを汲んでくれるようになり、結果的には医院の経営にも患者さんの満足度にも大きな差が生まれます。ご自身の医院において、それが出来る「チーム」として動けているか、この機会に一度振り返ってみてはいかがでしょうか。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部