マネジメント

「うっかりミス」を防ぎましょう

2016.09.21

スタッフの失敗を減らす方法Vol.2 -人間は忘れる-

「人間は忘れる生き物」と言われるように、普段できていることも、混雑したり、クレームなどのイレギュラーがあったりすると失念してしまう場合があります。

●「人間は忘れる」前提でそなえる

(1)1つずつチェックできるリストをつくる
根管治療など、手順が煩雑な作業や頻度の少ない治療の場合、うっかりミスやスタッフの個人差が発生しやすくなります。マニュアルや、簡単なチェックリストをつくっておき、指さし確認できるようにしておくと安心ですし、スタッフ同士で「どうするんだっけ?」と確認する手間や時間も省けます。

(2)放置を防止する
「作業中」「模型アリ」などカードを作っておき、貼っておくようにしましょう。印象を湿潤箱に入れっぱなしにして忘れるなど、作業途中での放置や重複を防ぐことができます。

(3)翌日の診療内容を打ち合わせる
閉院後の申し送りで、一通り翌日の診療内容を確認しましょう。「材料は届いていますか?」「○○さんから連絡はないですね」など、スタッフ全員で事前に確認することで、当日もたつかずに済みます。

(4)当日の診療内容を各ユニットに貼っておく
これから行う診療内容が一目で確認できるので、患者さんをユニットに通す際、スタッフが必要な機材をスムーズに揃え、すぐに診療を始めることができます。

(5)技工物はAP帳に記録する
技工物が診療に間に合わないということがないよう、AP帳にも発注や受理を記入しておきましょう。技工所別に色分けすると見やすくなります。

(6)印象トレーのナンバーをカルテにメモする
簡単なことですが、後でこれ誰の? どこの歯だっけ? ともたつかないよう、印象をとるとき、カルテにトレーのナンバーをメモする習慣にしておくとよいでしょう。

(7)電話の用件もメモをとる
簡単な内容であっても、必ずメモをとるように徹底しましょう。電話の横に用紙を置いておくと便利です。

(8)マニュアルを作成・活用する
マニュアルがあれば、スタッフが人に聞かずに一人で確認することができますし、個々の認識違いを防ぐことができます。「マニュアル」というと作成に手間がかかりそうですが、まずは、簡単な「作業メモ」からでも始められます。

院長がマニュアルの項目を出し、スタッフに内容を書いてもらい、院長が確認して手直しするだけでよいのです。古いマニュアルは定期的に見直しをするようにしましょう。

(9)ミスの元となる過密スケジュールを見直す
簡単な問題ではないかもしれませんが、現在受け入れている1日あたりの予約数を見直すことも必要です。慢性的に過密スケジュールが続いているのであれば、スタッフを増員したり、患者さんの希望が集中する時間帯の診察時間を変えたりすることを検討してみることも必要です。

●精神論だけでは解決できない

うっかりミスに対して、「認識が甘い」など精神論で注意しても解決になりません。上記にご紹介したような、実践的な作業によって対処することが大切です。スタッフがスムーズにミスなく動き、さらに院長先生自身のうっかりミスもなくなるため、仕事がしやすくなったと実感できるはずです。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部
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