マネジメント

材料発注のタイミングと収納のコツ

在庫管理

2016.04.13

在庫管理Vol.4 -よりスムーズな在庫管理方法-

院内にあふれる物品を整理して、在庫の量や保管場所を把握することで、スタッフ全員の作業効率がアップし、経費のムダを防ぐことができます。「そんなことはわかっているけれど、院内の限られたスペースで、これ以上見直しようがない。

そんなケースも多いでしょう。しかし、現状の中で、改善できることは、本当にもうないのでしょうか?

院内の在庫管理が目的とするのは以下の2点です。

【1】在庫数をすぐに把握できること
【2】物品を出し入れしやすいこと

この2つが実現すれば、確かに業務効率はアップしそうですよね。では、具体的にどんな方法があるのでしょうか?

1. 在庫数をすぐに把握できる ~材料の発注タイミング

高価で使用期限のある歯科材料を無駄にしないために、材料の保管に、一工夫しておくことが大切です。

◆誰が見てもわかるように数を記載

保管している棚付近に、メモなどで、「残り○つになったら発注」と書いておき、それを誰が見てもわかる状態にしておきましょう。

◆粉末や液体は残量にラインをいれておく

仮着セメントなど、液体や粉末などの材料は、容器に、次の発注をすべき残量ラインを描いておきましょう。このラインを下回ったら発注するようにします。もし見づらい容器であれば、透明容器に移し替えておくとよいでしょう。

◆ホワイトボードで発注管理

発注が必要になったものは、院内のホワイトボードに購入リストに書いておき、担当者がまとめて発注できるようにしておきます。発注が完了したら「済」と書いて、配送待ちの状態であることがわかるようにしておきましょう。重複発注を防ぐことができますし、スタッフ同士が聞いて回らずに済みます。

2. 物品を出し入れしやすくする ~関連する材料を
  まとめて保管

◆一緒に使うものを近くに保管する

同じ治療で使う材料や道具は、なるべく近くに置いた方がよいでしょう。例えば合着セメントと紙練板は近くに保管しておきたいですし、紙コップとエプロンと紙トレーは同じグループとして、まとめて1日分くらいのセットにしておきます。そうすることによって必要な時にバタバタと歩き回ることなく、すぐに取り出せるようになるのです。

ただし、この「一緒に使うものを一緒に置く」というルールと、「種類別にまとめて保管」というルールは相反する面もあり、悩ましい問題でもあります。医院で行っている治療内容によって変わってくると思いますので、スタッフの意見も取り入れつつ自分たちにとってベストな状態を模索してみてください。

◆高い棚は中身がわかるようにメモをつける

案外盲点なのが、天井近くにある吊戸棚の収納です。多くの人は、扉を開けても奥まで見ることができません。また背の低いスタッフはもっと大変で、台がないと中を確認することも難しいものです。

高い収納には、何が入っているか、メモで書いておくと、いちいち確認に時間をとられることがなくなります。「空いているから
と、たまにしか使わないものを入れてしまうと、結局忘れてしまい、重複発注やデッドストックになってしまう場合もあるので注意が必要です。

◆カットするもの…透明ケースへ

使う時に細分化する材料もあります。バイトワックスなども最初に全部カットして、透明容器に保管しておきます。フタに開封日を書いて、古いものと新しいものは容器を分け、新しいものを奥に入れておくとよいでしょう。

こうしておくことで、治療で必要な時に切り分ける必要がなく、さっと取り出すだけで済むので効率がよくなります。

事前に簡単なひと手間をかけておくことで、治療中、現場での効率が向上するのです。すでに取り入れられている手法も多いかもしれませんが、もしまだやっていないものがあれば、一度試してみる価値はあるのではないでしょうか。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部
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