MANAGEMENT

『コンセプト』がリニューアル成功のカギ

歯科医院の内装

2016.02.03

歯科医院の内装Vol.2

864万円。

これは、ある歯科医院のリニューアルにかかった費用です。外看板と内装のリニューアルで、当初の見積り額は1000万円を超えていたそうです。覚悟が必要な金額ですよね。

リニューアルを検討する背景は様々だと思いますが。とはいえ、以下の理由が大半を占めるのではないでしょうか。

・建物や設備の経年劣化

・患者さんの増加に対応するための増床

・事業継承などに伴うイメージチェンジ

言い換えれば、『古いものを交換しながら、環境の変化に対応する』ということです。目的は当然、患者さん離れの防止と増患です。相当の費用もかかりますから、失敗はできません。

では、どうすればいいか。成功のカギとなるのは、『コンセプト』です。環境の変化に対応するには、まずは周囲の環境を改めて知る必要があります。その上でコンセプトを立て、環境に適した医院づくりをしなければなりません。

たとえば、10年経つと環境はどれぐらい変化するでしょうか。ランドセルを背負って通院していた子が、大学生になります。大学生だった患者さんが、お子さんを連れてくるかもしれません。大きなマンションが建ち、ショッピングモールができることもあるでしょう。

そうした変化に合わせた、デザインと設備が必要なのです。

新しい住宅街ができ、若いファミリーが一気に増えたなら、たとえば『ママにやさしく』というコンセプトが考えられます。最近引越してきた、小さなお子さんを連れたお母さん。待合室に丸いテーブルを置き、囲むようにベンチやチェアーを配置すれば、他のお母さんとの会話もしやすくなります。新しいコミュニティをつくるお手伝いができますね。お腹に赤ちゃんを抱えたお母さんには、ゆったりと座れるソファがあると喜ばれます。待合室から見えるところにキッズスペースを設け、少し広めのトイレにはお子さんと一緒に入ることができる。お母さんのストレスを可能な限り排除することで、他の医院との差別化ができます。ママ達のネットワークは大きいですから、口コミによる増患も期待できますね。

逆に、少子高齢化によりお子さんが少なくなっているエリアでは、コンセプトも変わります。キッズスペースを読書スペースに替え、内装もナチュラルカラーをメインに落ち着いた雰囲気にするのもいいですし、視点を変えて、内装にお金を使うのではなく、訪問車などに設備投資をし、訪問に力を入れた歯科医院へリニューアルするのも一つの手です。

誰にターゲティングするのか見極め、コンセプトを設定し、『まるで自分のために作られたような空間』であると感じさせることで患者さんが離れていかなくなるのです。反対に、治療の技術がいかに優れていようとも、自分のいるべき場所ではないと感じてしまえば、他の医院を探すかもしれません。【小児歯科】と看板に書かれている歯医者さんに、40代の男性には行きにくく感じるのと同じです。

医院の規模や内容にもよりますが、リニューアルには1千万、2千万という単位の費用がかかります。そして医院の未来がかかっているのです。ですから、ぜひ時間をきちんと確保して『コンセプト』を設定してください。開業時や、前回の改装時から患者さんに、そして周辺にどんな変化があったのか。これを把握し、適した環境を提供することができれば、地域に長く愛される医院になることでしょう。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部