MANAGEMENT

安心する『色づかい』と、患者さんがよろこぶ『機能性』

歯科医院の内装

2016.01.27

歯科医院の内装Vol.1

歯科医院でも、美容院でも、雑貨店でも、自分のお店となる物件が決まった時はうれしいものです。それまでに苦労された方であれば尚更でしょう。

開業までの準備は、慣れないことも多くバタバタしますが、充実した毎日となるでしょう。備品を揃え、設備を手配し、スタッフを集め、そして看板や内装をデザインするなどやることは尽きません。

特に内装のデザインなどは、一生に何度も経験するものではありませんので、自然とテンションも上がってしまい、自分の好みを反映させたくなるものです。

しかしそこをグッと抑えて、もう一度考えてみてください。自分が売りたいものではなく、お客さんが求めているものを売るのが商売です。歯科医院の内装も同じことです。院長の好みではなく、患者さんが安心する色づかい、患者さんがよろこぶ機能性を追求してデザインするべきなのです。

歯医者さん=痛い

これは、多くの患者さんが持つイメージですよね。院長が好きな色であっても、看板に血を連想させる 『赤』 を使うべきでないことは納得いただけると思います。看板でよく使われるのは、『安心』 をイメージさせるグリーンやブルー、『元気』をイメージさせるオレンジなどです。内装には、痛みや緊張を和らげる効果を期待して、ベージュやうすい茶色などのナチュラルカラーや、淡いピンクなどのパステルカラーを取り入れる医院が多くあります。

また、その医院に訪れる方、つまり「患者さんは誰なのか」を考えると以下のような工夫ができます。

《子供の多い地域や小児歯科の場合》

お子さんとその親御さん目線での設計・デザインが必要です。たとえばトイレ。トイレットペーパーなどは、幼稚園の子でも手が届く位置に設置し、手洗い場などはお子様用のものを併設するなど、お子さんにとっての使いやすさと親御さんにとっての使わせやすさを併せ持った設計が効果的です。

また、レセプト台の高さを低くして、スタッフがお子さんの目線で会話できるようにすれば、緊張をほぐす効果も見込めます。そして、小さなお子さんはよく転びますので、本棚やイスの材質も、丸みをもたせた木材を使う配慮があれば親御さんも安心です。

《年配の方が多いエリアの場合》

バリアフリー設計はもちろんのこと、あるべきところに手すりを設置する配慮もほしいですよね。テーブルやイスの高さ、ソファに座った時の沈み具合などもチェックポイントです。杖をお持ちの方も多く、座った時にそのやり場に困っている場面もあちこちで見かけますので、ステッキホルダーなどもあると嬉しいものです。色使いでいえば、カラフルな内装よりは、落ち着いたナチュラルカラーの方がリラックスでき好まれます。

《オフィス街の場合》

他の地域では少数派となるモノトーンを基調としたスタイリッシュなデザインも人気です。待合室などでお互いの目線が合わないようにする工夫も有効で、スペースの問題もありますが、待ち時間によりリラックスしてもらうためにベンチタイプよりも独立したチェアを設置されている医院が多いのもこの地域です。

といったように、実際に来院される患者さんによって、必要とされるデザインは違います。内装を整えるにはそれなりのコストもかかりますから、何度もやり直すことはできません。

「こんなデザインにしたい」ではなく、「どんなデザインが必要なのか」を考えれば、院長としての新たな一歩は、大きな一歩となるでしょう。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部