MANAGEMENT

もう、「知らなかった」 ではすまされない!

面接が難しいのは当然。だから「見極め」ではなく「確認」に!

2015.11.18

今さら聞けない労務管理Vol.1

ある日、あなたのもとへ飲食店を経営する友人から1本の電話が入りました。

「いやぁ、参ったよ。先月辞めたスタッフに、いきなり未払い残業代を請求されてさぁ…」

話を聞いてみると、そのスタッフの1週間の労働時間は法定内(40時間)におさまっていたものの、1日の法定労働時間(8時間)を超えて勤務した日もあったため、8時間を超えた分に対しての残業代を請求されているとのこと。

さて、あなたならどう答えますか?

まず、確認すべきは法律上の問題です。

もちろん、残業代が発生したのなら支払うべきです。ところが、1日8時間を超えて仕事をしたからといって、必ずしも残業代が発生しているとは限らないのです。たとえば、そのお店のスタッフが10名以下であれば 『特例措置対象事業場』 として、法定労働時間は週44時間までが認められます。

他には、『変形労働時間制』 を採用している場合。仮に法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えた日があっても、別の日に勤務時間を短縮するなどして法定労働時間内におさまれば、残業代は発生しません。

いかがでしょう。ここまで分かれば、どの程度の残業代が発生するのかを判断することは、それほど難しくなさそうですよね。結局、トラブルに発展したのは、経営者自身が 「知らなかった」 からではないでしょうか。法律の根拠を持ったうえでの明確なルールさえあれば、この飲食店もトラブルを回避できたのかもしれません。

『ブラック企業』 という言葉が世間をにぎわせていますが、これから日本の企業は、急速にホワイト化へと進んでいくでしょう。そうしなければ、もう会社を守ることができないからです。人材不足も解消できません。

厚生労働省の調査(平成25年10月)では、中小企業の56.6%が時間外労働・休日労働に関する労使協定を締結していない、つまり違法残業を課しているという結果もでています。とはいえ、そうした企業の経営者すべてに悪意があったとは思えません。しかし現実的には、労務関係のトラブルが発生すればブラック企業というイメージがつきまとい、倒産に至るケースも少なくないのです。

もちろん、院長はあくまで 『歯』 の専門家であって、労務管理の専門家ではありません。ただ、経営者である以上、もう 「知らなかった」 では許されないのも、また事実なのです。

法律の根拠をもってルールを作り、スタッフと共有する。それができなければ、いかに歯科医として技術的に優れていても、今後生き残っていくことは難しいでしょう。なにも六法全書を片手に過ごす必要はありませんが、それは医院と家族、そしてスタッフを守るための手段であることは確かです。

・社労士などの専門家に相談する

・歯科医院を経営する仲間と情報交換をする

・異業種の経営者に話を聞く

・他の医院のトラブル事例を参考にする

まずは、できることから始めてみませんか?

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執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部