INTERVIEW

重要なのは目標と戦略。依頼者を満足させる弁護士とは?

フォーゲル綜合法律事務所 代表 嵩原 安三郎インタビュー

2014.08.01

フォーゲル綜合法律事務所代表 嵩原安三郎氏インタビュー

テレビ番組にも出演されるなど、名実共に優秀な弁護士として活躍されている嵩原先生に、依頼者を納得させ、満足のいく結果を生み出すための秘訣を伺いました。
【プロフィール】
京都大学卒業後、29歳で司法試験に合格。協和綜合法律事務所に勤務し労働問題を専門的に扱う。2006年から裁判員裁判の実務対応研究チームに参加し広報の一環として日本テレビ「情報ライブ ミヤネ屋」に出演することに。同時期にフォーゲル綜合法律事務所を開所。現在8名の弁護士事務所に成長し、代表弁護士として労働問題をはじめとした様々な問題に携わる。

弁護士を志したのは「寄せ書き」がきっかけ

今回インタビューに伺ったのは、平日午後に生放送されている情報番組「情報ライブ ミヤネ屋」に出演中の弁護士・嵩原安三郎先生です。ドクターからの依頼だけでも、医療ミストラブルをはじめ、患者からのクレーム対応、債権回収、スタッフの労働問題、セクハラ・パワハラ問題、個人的な離婚や愛人問題など、実に様々な案件に携わっていらっしゃいます。

大阪北区のフォーゲル綜合法律事務所の代表弁護士として多忙を極める嵩原先生に、弁護士になったきっかけから〝良い弁護士〟の共通点までインタビューしてきました。

——本日は貴重なお時間をありがとうございます。よろしくお願いいたします。

嵩原先生(以下嵩原):こちらこそお願いします

——では早速なんですが、嵩原先生が弁護士になられたきっかけを教えて頂けますか?

嵩原:きっかけは高校2年生の時ですね。そのクラスの最後の日に、クラスの皆が寄せ書きを書いてくれたんです。その中に一度も話したことのない女の子からの寄せ書きがありました。「嵩原君は将来は詐欺師か弁護士になると思う」って。

詐欺師は嫌だし、じゃあ弁護士かなって思った(笑)。もともと揉め事や交渉ごとに首を突っ込むことが好きだったんですよね。小学生の時から担任の先生と交渉したりしてましたから。

——どういった交渉なんですか?

嵩原:小学校の4年生の時なんですが、先生が同級生に理不尽な怒り方をしたんです。子供ながらに「先生は間違っている!」と思って。

クラスのみんなに協力してもらって授業が始まる前に生徒40人を教室内に隠したんですよ。ベランダのひさしとかカーテンの後ろとか。結構隠れる場所はあるんですよね(笑)。

チャイムが鳴って先生が教室に来ると僕だけが一人席に座っている。
「先生があんなこと言うからみんないなくなっちゃった。先生が謝ってくれたらみんなも帰ってくるよ」と言ったら、先生はちょっと考えて「私が悪かった」って。それで、みんながわっと出てきたんです。考えてみると嫌な小学生ですよね(笑)。

——嵩原先生は弁護士が天職なんじゃないですか?

嵩原:逆に言うと弁護士になってなかったらどんな人間になっていたんだろうって思いますね(笑)

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理不尽な世の中への「怒り」が原動力になる

——そのバイタリティはどこから来るんですか?

嵩原:「怒り」が原動力になることはありますね。世の中は理不尽な言いがかりにあふれています。例えば、「医者は金を持っているだろう」と考えてクレームをつけ金を要求してきた男もいました。

そういう人間から依頼者を助けてあげたい。それがパワーになりますね。依頼者の代わりに言うべきことをいう。そこに僕の存在価値があるわけです。

弁護士に最初から相談に来る人ってほとんどいないんですよね。だから僕は自分がゴールキーパーであり、最後の砦だと思っています。僕が退くことはできない。だから、守りながら闘う。難しいですが、やり甲斐があります。

——でも、逆に依頼者から話を聞いていて、「それはこちらも悪いな」と思うことはないのですか?

嵩原:確かにそういう場合も結構ありますが(笑)、その場合にはきちんと伝えます。しかし、僕を頼ってきた人を突き放すことは絶対にしません。

こちらの落ち度を知った上で、依頼者にとって最善の解決法は何かを常に考えるようにしています。こちらの弱点を知ることは、戦略を立てるときにも重要となります。それを知らないまま交渉を進めることはとても危険です。

弱点も予め知っておけば対処法を用意すればいいわけですから、僕は依頼者のためにどんなマイナス要素でも全て正直に打ち明けてもらってるんです。

——すべてを打ち明けるというのは、難しいのではないですか?

嵩原:当然、難しいですよ。たとえ弁護士相手でも、誰だって自分のマイナスは言いたくないものです。だから僕は依頼者の表情に注目しています。依頼者と話をしているとき、表情が一瞬変ることがあるんです。依頼者の引っかかりがそこにある。それを詳しく聞いていくわけです。

依頼者の「明確な目標」を共有して戦略をたてる

——弁護士さんの中でも優劣というのは当然ありますよね? 良い弁護士さんの見分け方といいますか、共通点というのはあるのでしょうか?

嵩原:知識と経験があるのは当たり前。その上で、戦略をきちっと立てられるかどうかでしょう。「情報」を活かし、「戦略」をきちんと立てることができなければ、どんなに法律的知識があっても優秀な弁護士とはいえないでしょうね。

もう一つ、僕は依頼者に「どうしたいですか?」と聞くようにしています。「法律ならこうなる」というのは誰でも言えます。そうではなくて、「依頼者が望む結論にたどり着くために法律をどう使うか」を考えます。依頼者側に「明確な目標」がなければ戦略も立てられないですからね。

「明確な目標」「十分な知識と情報」「情報を活かす戦略」……この点をいつも僕は意識しています。僕は依頼者とともに「目標」と「戦略」を一生懸命考えます。僕の話に納得した瞬間、依頼者の表情が変ります。そこまでお話を続けることをいつも心がけています。