インタビュー

ホテルで“良い思い”をするために知っておくべきこと

瀧澤信秋

2016.09.27

ホテル評論家、旅行作家 瀧澤信秋氏インタビュー

ホテルの選び方、得する利用のコツ、満室でも部屋を取る方法など…。ホテルに宿泊する際、知る人ぞ知る“得する利用法”を、テレビや雑誌などで活躍するホテル評論家の瀧澤信秋氏に伺います。面倒な手続きや入会などしなくても、知っておくだけですぐに実践できるその方法とは?
【プロフィール】
●ホテル評論家、旅行作家
一般社団法人JTWO日本旅行作家協会正会員。フィールドは、ステイからグルメ、そしてホテルにまつわる社会問題までと幅広い。月間30本近くの業界専門誌への連載のほか、テレビやラジオなどの出演も多数。

得するホテルの見極め方、利用の仕方

——例えば、開業医は学会などで遠方に出かけることもあるのですが、その際上手なホテルの選び方はあるのでしょうか?

瀧澤信秋氏(以下、瀧澤):おすすめの方法が二つあります。まず一つ… 超高級からビジネス、カプセルなど、様々な種類のホテルがありますが、ハイクラスビジネスホテルを選ぶことです。

——普通のビジネスホテルとは違うのでしょうか?

瀧澤:ビジネスホテルなのに高級なベッドがあったり、部屋が広かったり、レストランなどもあったりとシティホテル化しているところが違います。最近では、フルサービスのシティホテルと基本的に宿泊だけが目的だったビジネスホテルの業態がクロスオーバーしているのです。

そういったホテルなら、リーズナブルな料金でシティホテルのような良い思いができるので、おすすめですね。

——もう一つの選び方とは?

瀧澤:サービスによって選ぶという方法もあります。例えば『ザ・リッツカールトン』には“ミスティーク”というサービス精神があります。友人と廊下を歩いていて何気なく、『今日誕生日だったよねー。おめでとう』なんて会話をしていると、掃除のおばさんがそれを聞いていて、部屋に戻るとケーキがあったりするんですよ。

ただ、外資系のホテルは経営と運営の会社がホテルによって違うこともあり、サービスの質に差がある可能性も考慮に入れておきましょう。その点、『帝国ホテル』や『ニューオータニ』といった日系の高級ホテルでは、昔からいるホテルマンが、変わらずに“おもてなし”をしてくれることもあります。そのため、日本人に合った、とても居心地の良い空間になります。そういったサービスもホテルを選ぶ一つの基準になると思います。

——より良いサービスを受けるコツがあれば教えてください。

瀧澤:ホテルでより良い思いをするためには具体的なコツが二つあります。まず一つ目は、宿泊予約サイトには、リクエストを書く欄があるので、そこに書き込むんです。例えば一番安いプランで予約したのに『景色が良い部屋』、『ルームサービスが食べたいので広めのソファがある部屋』などとリクエストして、スイートルームになったこともあります。

——日本人だとやはり遠慮してしまいますよね。

瀧澤:ホテルマンの中には人にサービスをして喜んでもらうことに喜びを感じる方が多くいます。ホテルの基本スタンスとして、部屋が空いていて、リクエストがあればどんどんアップグレードをしてあげようというところもあるんです。

そして、二つ目は、“コールバイネーム(自分の名前を覚えてもらうこと)”です。

——超高級ホテルではなくても可能なのでしょうか?

瀧澤:そのために、一つ方法があります。ホテルマンから良いサービスを受けたらサンクスレターを送るんです。その繰り返しで、名前を覚えてもらえて、より良いサービスにつながるのです。

満室でもホテルを予約する方法

——最近では“ホテル難民”という言葉もあるように、予約が困難な場合もあります。そういった場合でも、部屋を上手く予約する方法を教えてください。

瀧澤:予約サイトなどを見て、どこも満室だった場合、部屋を取るのにはキャンセル狙い。“3つの3”というポイントがあります。まずは“3日前”。これは、仮で予約している方が、キャンセル料のかかり始める“3日前”までに取り消すことで、ちょうど部屋が空くのです。

次は“当日の午後3時”。当日キャンセルする方はチェックインより前の時間にする方が多いので、当日の午後に電話すれば部屋が空いている可能性が高いです。最後の“3”は、“チェックインしたい3時間前”です。ホテルとしては空室があれば売り切ってしまいたいので、当日限定プランとして打ち出している場合が多いです。

瀧澤信秋

——海外でのホテルの活用法を教えてください。

瀧澤:一つは、外資系ホテルの会員になり、そのチェーンのホテルに宿泊することです。こちらは特典が素晴らしいのですが、宿泊を重ねないと会員ステータスを維持出来ないので、宿泊の機会が少ない方には難しいかも知れません。

——何度も海外に行く機会がある方には安心出来るかも知れませんね。他にもありますか?

瀧澤:もう一つ、こちらは、会員でなくても使えるのですが、是非“クラブフロア”を利用していただきたいです。

——“クラブフロア”とは一体どういったものでしょうか?

瀧澤:高級ホテルでは“スタンダードフロア”と“クラブフロア”で分かれています。料金の違いは一万円程なのですが、十分に元を取ることが出来ます。まず客室が広く、クラブラウンジでコーヒーやケーキが無料になり、バータイムにはシャンパンをはじめとしたアルコール各種やオードブルも全て無料。モーニングもついてきます。

——それだけのサービスを受けるためには難しい手続きが必要ではないのでしょうか?

瀧澤:宿泊予約サイトで、クラブフロアプランというものを選択するだけです。素晴らしさが、実際に体験してみればよく分かります。まずはそういったサービスを知っていただき、自分からリクエストしていくことでホテルはどんどん居心地の良い空間になりますよ。

まとめ:おすすめのホテルをご紹介

■東京近郊のシティホテル

ザ・プリンスさくらタワー東京(高輪)
都心とは思えないほど静かな緑の中にたたずむ。
公式サイト:http://www.princehotels.co.jp/sakuratower/

ホテル インターコンチネンタル 東京ベイ(竹芝)
レインボーブリッジやスカイツリーなど、部屋から美しいビューを楽しめる。
公式サイト:http://www.interconti-tokyo.com/

ホテルニューグランド(横浜)
1927年開業のクラシックホテルの代表。
公式サイト:http://www.hotel-newgrand.co.jp/

■ハイクラスビジネスホテル(全国チェーン)

リッチモンドホテル
宿泊者が無料で利用できる大浴場、露天風呂、サウナなどに力を入れている。
公式サイト:http://richmondhotel.jp/

ドーミーイン
広く明るいゆとりある客室。自社でプロデュースしたオシャレなレストランも魅力。
公式サイト:http://www.hotespa.net/dormyinn/

カンデオホテルズ
60種類のメニューが並ぶモーニングビュッフェと屋上の大浴場が人気。
公式サイト:https://www.candeohotels.com/

■ハイクラスビジネスホテル(地方チェーン)

ホテル ココ・グラン(高崎・上野・北千住)
スパやレストランが充実しており、女性にやさしい。
公式サイト:http://www.cocogrand.co.jp/

ホテルフォルツァ(九州地方)
デザイン性と機能性を兼ね備えた客室。無料iPadも設置。
公式サイト:http://www.hotelforza.jp/

ホテルアクティブ!(中国地方)
24時間使える洗濯機があり、長期滞在にもおすすめ。
公式サイト:http://www.hotel-active.com/

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