INTERVIEW

みんなが活き活きと働いていける。そんな理想の職場を目指して

キャリア・ディベロップメント・アドバイザー 宮崎結花氏 インタビュー 

2014.11.12

CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー) 宮﨑結花氏インタビュー 

これからの時代はトップダウンの組織ではなく、従業員一人一人が個性を発揮していける強い組織作りが重要になってきます。自分の強みを把握し、自分らしさを活かして働くためには、どうすればよいのでしょうか。
【プロフィール】
2013年「輝く女性を日本に増やしたい」という強い想いから、株式会社Woman’sを設立。個人の支援から、企業において女性が輝く人事制度づくりなど組織マネジメントまで体系的に関わっている。

キャリア・デベロップメント・アドバイザーとは?

——宮﨑さんは資格をたくさん持っていらっしゃるそうですね。

宮﨑結花氏(以下、宮﨑):はい。交流分析士、産業カウンセラー…あと、今日本には、一万人を超えるCDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)がいますが、その養成講座の講師をしています。

——キャリア・デベロップメント・アドバイザーとは、具体的にはどんなお仕事をされるのですか?

宮﨑:キャリアは人生全体に関わることなので、そのライフも合わせて、今自分はどんな役割を担っているのか…それを意識しながら人生を充実させていくことがポイントです。

そうすると転職という手段だけでなく、今いる職場の中で、どう自分を活かしていくかが大切になってきます。そういうふうにキャリアを考え直すとき、“在職中”という視点で考えることは従来の日本にはあまりなかったんですよね。

以前のように、ただトップダウンの組織というより、個人が、それぞれの個性を発揮して輝いて働ける組織が、これからの時代は成長していくと思います。そのような組織の開発と個人の開発という2つの視点で、キャリア開発を促す専門家といえる存在が、キャリア・デベロップメント・アドバイザーです。

——そのキャリア・カウンセリングは、どのくらいの年代の方に多く実施していらっしゃるのですか。

宮﨑:幅広いですね。働いていない子どもたち…小・中・高校のキャリア教育からシニアの方々までが対象です。特に団塊世代の方々は大量退職されるので、その方々のセカンド・ライフを支援するシニア・ワーク・プログラムも実施しています。

——今の会社を始められる前に、キャリア・ブロッサムという事業をやられていたそうですね。

宮﨑:7年間事業を続けたあと、昨年11月に会社を起こしました。その過程で、キャリア支援の形を何かに特化していきたいと考えるようになったんです。

例えば再就職ではなく、今その人が属している組織の中でより輝くためにはどうすればよいか、といったことです。あとはキャリアって過去・現在・未来でつながっているので、過去に自分が培ったものを活かすことで、より今できることが増えたりするんです。

それを元に未来のビジョンを描いていくと、自分らしさの再確認にもなるんですよね。そうすることで個性も発揮でき、またチームの中でもお互いの個性の良さを認め合い、より力を発揮できるようになります。

——それはどこからカウンセリングしていくんですか。

宮﨑:深く悩んでいなくても、より自分らしく生きたいと考えている人は、結構いるんですよ。でも、それが具体的にイメージできず、ボヤッとしている。だからまずは、その人が感じているボヤッとしたところを探っていく感じですね。

具体的に、そう感じるようになったきっかけがあれば、その経験をていねいに語ってもらいます。そうすることで、社会とのつながりの中で自分をどのように位置づけているかとか、相手をどう見ているかとか、社会の中での自己認識が浮かび上がってくるんです。そのほかには怒りや喜びなどの感情ですね。そこから自分の価値観や興味がわかったりします。

まずは自分の内面をしっかり捉え直し、自分の内面でうごめくものをどう社会の中で発揮していくかを考える。それができるようになれば、これからのキャリア・ビジョンにつながっていきます。

人は優しくしてもらえないと、優しさを返せません

——それぞれの力を肯定したキャリア・カウンセリングということですね。

宮﨑:そうです。人材育成は福利厚生の観点で捉えられていますが、私は経営戦略だと思っています。私がいたアンデルセン・グループという会社は、従業員をとても大切にしてくれる会社でした。どんなに景気が悪くなっても、教育費には惜しみなくお金を出して育ててくれたんです。

会社と社員の信頼関係を考えるとき、やはりこの“育てられている”という感覚が大事だと思います。インプットされた知識や技術にプラスして、大切に育てられているという肯定感が加わったとき、社員は会社を裏切らないと思います。

人は優しくしてもらえないと優しさを返せません。個人が輝き、個人が組織に貢献していき、そして組織が繁栄して業績も伸びる…そういう、プラスの連鎖になるのが理想だと思います。

——宮﨑さんが経営者の視点から見て女性との接し方、扱い方で気をつけるべき点はどこだと思いますか。特に医療系の現場だと女性の割合が多く、開業医の方も、それは興味がある点だと思います。

宮﨑:女性は、結構しっかりしている人が多いんです。でも、元々そういうしっかりしたタイプの人が多いのに、家庭や会社の影響によって、本来の良さがセーブされてしまう。それはがもったいないと思いますね。なぜ女性たちが変化してしまうかというと、経営者が過度に、女性だからという点を意識して接するからではないでしょうか。

女性だからと型にはめず、一人一人の個性を把握して認め合う…そんな自由な組織を作ったら、みんなもっとのびのびと能力を発揮できるのではないでしょうか。

キャリア・ディベロップメント・アドバイザー 宮崎結花氏 インタビュー 

今はこまめにビジョンをつくっていくことが大切です

——医師の方を見て思うことはありますか。

宮﨑:“ホランドの六角形”という、人と仕事を大きく六つのタイプに分ける理論があります。具体的には『現実的』『研究的』『芸術的』『社会的』『企業的』『慣習的』という六つです。

大学生が受ける興味検査や適性検査などは、このホランド理論に基づくことが多いんです。六角形の対角線が近ければ近いほど似通っていてやり易く、離れていれば離れているほど、興味がなかったり、苦手だったりするという理論なんです。

それではドクターという職種がどこに位置するかと言うと、『現実的』や『研究的』という部分です。そうすると反対側が人をマネジメントする『企業的』や、人と円滑なコミュニケーションをとる『社会的』になります。もしかすると、この分野を苦手と感じられている方が多いかもしれない。

だったら医療に専念していただくために、ドクターのキャリア・コンサルティングという形で、人材マネジメントやスタッフさんとのコミュニケーションに関する困り事をしっかり傾聴いたします。

そうすると具体的な改善するポイントもわかるので、オーダーメイドでアドバイスさせていただきます。この理論で考えれば、歯科医の方は、職業上、理詰めで考える性質があり、そこがコミュニケーションにおいて摩擦も生みやすいかもしれません。だから“こういうコミュニケーションに変えてみませんか”という、提案をします。

——ハッピー・リタイアについて教えてください。

宮﨑:キャリアは、長さと幅で見ていくんです。今この歳だったら、どんな役割を持っていますか?その役割に対して、どれくらいの時間とエネルギーかけますか?というような感じです。

それを虹で表した、『ライフ・キャリア・レインボー』という理論があります。役割ひとつひとつの割合が、年齢によって変わっていくんですね。しかし何か要素が無くなっても、虹全体の幅は変わらない。それなら代わりに、今度はこの役割で人生を豊かにしていこうと思い描いたりできるわけです。

だけど、リタイアした後は時間、お金、エネルギーをどうやって使っていいか、わからないという人や、人間関係を構築していないからつながりが全部無くなってしまって困っているという人も結構いるんですよ。

だから、より豊かなリタイア生活を送るためには、今どんな生き方をすればいいのか、こまめにビジョンを作っていくことが大切だと思います。その部分を考えるときに、私がお手伝いできたらいいなと思います。

——最後に今後の意気込みをお願いします。

宮﨑:歯科衛生士さんなど医院のスタッフさんは、結婚・産休などで描いたキャリアの実現を断念してしまう方も多いと思います。しかし、きちんと復帰制度があれば辞めずに済むし、組織への帰属意識も芽生えます。

医院としては、次の採用にかけるコストなども削減できますし、先ほどお話した肯定感の形成においても大切なポイントだと思います。医院の規模に関わらず実現していく方法をご提案してまいります。あとは採用の際にも外部面接官などの形で、組織に合う方を見極めるお手伝いができればと思っています。人材の定着に向け、採用計画などにも携われていけたらいいですね。