インタビュー

会社員から一念発起しプロとなった女性カメラマン

岩田 直子氏

2017.04.18

プロカメラマン 岩田直子氏インタビュー

出身地・北海道での普通の会社員から一変。訪れたアメリカの友人やその周りの人に感化され、30歳手前にしてプロカメラマンとしての道を歩み始めた岩田直子氏。現在は東京の新宿、渋谷でスタジオを構える彼女のカメラマンを目指したきっかけ、心情、そして将来の夢とは?
【プロフィール】
●プロカメラマン
1979年生まれ。スポーツカメラマン、ブライダルフォトグラファーを経て、ブライダルステージソシア21のスタジオカメラマンとして活躍。写真室室長に就任するも、その後、改めて独立の道を選び、現在、渋谷、新宿にてスタジオアオラを運営している。

カメラマンとしてだけではなく運営・経営の手腕も発揮

——まず、カメラマンを目指されたきっかけから聞かせてください。

岩田 直子氏(以下、岩田):私は北海道出身で、小さい時から絵を描いたりすることが好きで美術関係に興味があったんです。ただ、最初は普通に会社員をやっていたんです。カメラを始めたのは20代前半ですね。

——そこから、すぐカメラマンに?

岩田 :そうではなく、そこから数年後の、20代後半に差し掛かった時に友人のいるアメリカに一ヶ月位行く機会があったんです。その友人はアメリカでアーティストをやっていたので、周りにもグラフィックデザイナーや靴のデザイナー、フォトグラファーとかそういったお仕事をしてる人が多くいました。

彼らに私も感化されて、30代になる前にやりたいことをやってみようと上京し、本格的にカメラマンを目指したんです。ですので、歴は10年くらいですね。

——カメラは独学で学ばれたのですか?

岩田:ほぼ独学ですね。(スタジオ共同経営者の)伊藤(高詞)さんとは上京して半年後くらいに出会ってお声をかけて頂いて、ブライダルの撮影をするスタジオで働き始めた頃から伊藤さんから学ぶことが多かったので、そういう意味では伊藤さんが師匠です。

——会社員からいきなりカメラマンに転身されて、怖さはなかったですか?

岩田:会社員の経験しかないんですけど、逆に捨てるものも無い。そういう意味では、あまり怖くはなかったですね。幸い両親も応援してくれましたし、そもそも性格が猪突猛進型なので(笑)

——それが、新宿と渋谷という東京でもトップクラスの繁華街で、しかも駅からのアクセスも良い場所でスタジオを経営されるまでになられて、大成功じゃないですか。

岩田:いえいえ。本当はもう少し大きなスペースにしたかったんですけど、駅から近いのはやっぱりいいですね。お客さんにも見つけてもらいやすいし、来てもらうのも便利ですから。

——カメラマンだけでなく、経営にも関わられていますが、スタジオ開業の際は経営者にもなりたかったのですか?

岩田:運営・経営の全般をやっているのはほぼほぼ私なのですが、経営の方に力を入れられるのも伊藤さんの技術があってこそと思っています。

そもそも共同でスタジオを立ち上げたのは、私はブライダル写真である程度技術を身につけてからブライダル写真よりも、もっと新しい撮影をやってみたいというチャレンジングな気持ちが大きく独立しようとした時、すでに独立していた伊藤ももっと広告関係とかを増やしたいと言っていて、では新しいことを一緒にやろうというのが成り立ちです。

インプットしなければアウトプットもできない

——今は写真だけでなく、映像なども…まさに、いろんなことにチャレンジされてますね。

岩田:うちのスタジオは、メイクをして証明写真を撮るサービスがメインなのですが、学生数も減ってきていますし、子供の数も減ってきていて…だから、証明写真だけではやはりこの先立ち行かなくなるという思いがありました。

映像はそれを見越しての動きで、ちょうど一眼レフカメラで映像を撮るという風潮も世間的に導入され始めていた時期でしたので取り入れました。

——この冊子は個人で開業されてらっしゃる歯科医の方がお読みになる機会が多いのですが、独立開業されて一番不安に思ったことは何ですか?

岩田:やはり、駅から近い場所にスタジオを持つと、それなりに家賃などの毎月の固定費がかかるので、そこは不安でした。

また、以前の勤務先では結婚式場があって、その式場で結婚式を挙げたいお客さんがいて、その方たちに写真、フォトアルバムを紹介してという、もう既におられるお客さん相手の営業でしたが、独立開業すると自分たちで集客するしかないですよね。

『お客さん来るかな?』と心配にはなりました(笑)

——お仕事の方がお忙しくなれば、ご自身の生活よりどうしても仕事優先になってしまうと思うのですが、そのあたりのバランスはどうされていますか?

岩田:たしかに、休んでいても頭の中は休みきれないし、仕事のことをどうしても考てしまいがちです。冒頭で触れたアメリカの友人が一時期コンバースUSAのデザイナーをやっていたのですが、コンバースの会社としてのあり方が素敵なんです!

一年に一回から二年に一回くらい、会社が一ヶ月位の旅行をプレゼントしてくれて、『経費も全部持つから、いろいろな場所に行ってクリエイターとしてのインスピレーションを受けてこい、いろいろなものをインプットしてこい』と。

私はまだ、さすがにそこまではできないですが、いずれは三週間なり一ヶ月の休みを取って旅行して、新しいことをインプットしたいですね。

岩田 直子氏

——これからの展望をお聞かせください。

岩田:旅行が好きだったので、“カメラで風景が撮りたい”から今のキャリアが始まったのですが、最近ではドキュメンタリーを撮りたいという気持ちが強くなってきました。

嘘の無い“真実”を撮ることが出来たら楽しいなと思っています。それと、スタジオはいずれ大きくしたいです。狭いスタジオだとライティングにも限りがありますし、人物を撮る際にはやはり自然光がとても有難いからです。

また、これは展望というよりも夢ですが、ブライダルを一つの“人間ドラマ”として撮るということを日本だけではなく、海外でもやってみたいですね。

結婚式は人生の縮図だと感じるので、写真も国内外問わずに人間ドラマ的な撮り方が出来たら面白いと思っています。

プロカメラマンに聞く! 印象的な写真の撮られ方と撮り方

自分がイメージしている仕上がりがあれば、スタジオのホームページなどにあるサンプルに近いものを目指していく方がいいと思います。私の場合、どういう風に見せたいかということを最初にカウンセリングし、例えば、優しく見せたいでしたら笑顔ですし、カッチリ渋く見せたいでしたら背景を変えたり、ライティングを変えたり工夫しています。

どういう目的で、どういうターゲットに、どういうメッセージを込めて見せたいかをきちんと決めるのがポイント。ご自身で写真を撮られる場合には、人物がクッキリ映っていて、背景はぼやけているような写真が、人の印象に残りやすいのでお勧めです。

そして、撮る際はちょっとモデルの体を斜めにふった方がシャープに見せられますし、顔も立体的に写ります。外で撮るのなら太陽の位置を注意してみてください!

■岩田 直子氏のスタジオはこちら

【渋谷】
〒150-0043 渋谷区道玄坂1-9-2 SNT渋谷ビルB1F
Tel. 03-6416-3835

【新宿】
〒160-0023 東京都新宿区西新宿1-19-10 三丸ビル3F
Tel. 03-6304-5525

営業時間 11:00~19:00
定休日 不定休(出張撮影によるお休み、夏期休業、年末年始休業など)
メール info@studioahora.com(@を半角にして送信ください)

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