INTERVIEW

ファッションで自己表現してみてはいかがでしょう

原田氏インタビュー

2015.03.17

ファッションスタイリスト 原田かれん氏インタビュー

お医者様は学会やパーティなど、何かと人前に出る機会が多いのではないでしょうか。ファッションスタイリストの目線から、大人の男性のファッションのマナーとバランス、そして「お洒落を楽しむ」ということについてお話していただきました。
【プロフィール】
スタイリスト、バイヤー、コラムニスト。美術大学卒業後、ファッションの世界へ。グッチ、シャネルのラグジュアリーブランドにてキャリアを重ねる。ブランド退社後、独立。スタイリスト、バイヤー、コラムニストのほかにセミナー講師としても活躍中。

自分を好きになることがお洒落へつながる

——ずばり、お医者さんのファッションについて、どのように感じますか?

原田かれん氏(以下、原田):有名ブランドの服を着ていることが多いですね。あまりご自分に似合うかどうかという点は意識してないのではないでしょうか。自分らしさが出ていないように感じます。

——原田さんのもとには、どんなニーズがくるのでしょう?

原田:自分に本当に似合うものを見つけたいとか、プライベートで着るものを教えてほしいとかが多いですね。威厳を見せるためにブランドに頼ってしまい、そこから抜け出せないという方もいらっしゃいます。あとは色使いが分からないとか…。

——色使いは難しい。

原田:基本的には、大人の男性はベーシックな色を揃えていればいいんです。そんなに色で表現することに頑張る必要はないんじゃないかな。だからネイビーとかグレイとかホワイトとかキャメルとか。もし色でトレンドを表現したいなら、マフラーなどの小物を使うといいですね。あとは大人として、ある程度上質なものを着ていただければ、清潔感や大人らしさが演出され、その人の良さが引き立つと思います。

——どうすればお洒落になれるのでしょうか。

原田:自分を好きになること。そして自分を客観視することです。そのためにはちゃんと鏡で全身を観て、全体のバランスをチェックすることも大切です。

お洒落の基本はマナーなんです

——社交の場で違和感があると感じるファッションの人は、どこがずれているのでしょうか?

原田:マナーですね。お洒落の基本はマナーなんです。例えば、どこかお呼ばれしたとき、いくら高級ブランドのものといっても、デニムとTシャツじゃ行きませんよね。そういうところを間違えていると、まずいですね。

——お医者さんがスタイリストをつけようとするタイミングってどんなときでしょう?

原田:やはり人前に出るときじゃないでしょうか。学会やパーティーなどのイベントの時です。

——例えば原田さんにお願いすると?

原田:まずはカウンセリングをして、お客様の現状とお悩みを明確にします。その後なりたい自分をイメージ化し、ご自身のマインドとビジュアルを一致させます。それからそのファッションに必要なものをショッピング同行で買い足したり、ワードローブを拝見してお持ちの服でコーディネートを提案します。

原田氏インタビュー

自己主張ではなく自己表現の手段としてファッションを使う時代

——原田さんの場合、クライアントとのお付き合いはどのくらいの続くんですか?

原田:シーズンごとの方が多いですね。春夏、秋冬、イベント時でしょうか。ほかにはワードローブのチェックもしますし、奥様のものを見て欲しいっていう時は見ますよ。

——男性の場合、スーツを着る機会が多いと思います。既製品とオーダーメイドはどちらがオススメですか?

原田:テーラーのオーダーメイドが一番ですね。10万円くらいから作れるのではないでしょうか。既成の外国製のスーツだと、日本人の体型に合っていなかったりするんです。

———なるほど。ではスーツは、どれくらい持っていればいいでしょう?

原田:春夏、秋冬で、それぞれ3着ずつで、年間6着。靴もスーツと同じで6足くらいあるといいですね。お休みの日はスーツのジャケットと、カジュアルなパンツを組み合わせるのもオススメです。

——靴はどういうものがいいのでしょうか?

原田:日本の靴って、結構変にデコラティブされてしまっていて、おかしなデザインが多いんですよ。形でいうと、やっぱりモンクストラップのようなオーソドックスなのは一足持っておいたほうがよいと思います。インソールのクッション性や縫い目の感じも大切です。おしゃれなデザインもいいですが、やはり歩き心地が大切ですから。

——カバンは?

原田:これは用途にもよりますが、ある程度お金をかけたものの方がいいですね。特に革製品は、はっきりとわかるんですよ。

——では、休日ファッションについて伺います。お洒落に着こなすポイントは?

原田:まずは清潔感ですね。高いものやブランドのものである必要はないんです。あと、毎回同じ服装の方が結構いますがダメですね。お休みの日は着古したデニムだけとか…あまりファッションに興味がないのでしょうね。

——原田さんがいま考える、ファッションのあり方とは?

原田:最近思うのは、ファッションを自己主張の手段として使う時代は、もう終わっているということ。ライフスタイルの変化とともに、自己表現の手段としてファッションを使う人の方が、賢い気がします。

——自己主張と自己表現の違いとは何でしょうか。

原田:自己主張としてファッションを使うと苦しくなるんです。自分で基準を設け、それに合わせようとしてしまうから。それよりも、今日はこんな気分だから…という理由で、気軽に自己表現の手段としてファッションと付き合った方が楽しいと思いますよ。

——なるほど。ファッションというのはマナーとバランス、そして、本当に好きなものを身に着けるということが大切になるのですね。ありがとうございました。