INTERVIEW

進化する日本酒 その楽しみ方と、選び方を知る

葉石かおり

2016.07.31

エッセイスト、酒ジャーナリスト 葉石かおり氏インタビュー

今、国内外で注目を集めている日本酒。女性も飲みやすい種類のお酒や、お洒落な日本酒バーなども増えています。では、今なぜ日本酒が注目されているのか。そして、どのような楽しみ方があるのか。日本酒や本格焼酎に関する専門家であり、ジャーナリストである葉石かおり氏にお話を伺いました。
【プロフィール】
●エッセイスト、酒ジャーナリスト
全国の日本酒蔵、本格焼酎・泡盛蔵を巡り、各メディアにコメント。食生活指導士の資格を持ち、健康とお酒、お酒と料理のペアリングをテーマに雑誌連載やテレビ出演を行う。その他に、一般社団法人ジャパン・サケ・アソシエーションを立ち上げ、サケ・エキスパートを国内外で育成中。

日本酒の新しい魅力と選び方

——現在、女性や外国人に人気のある日本酒ですが、その魅力とはなんでしょう?

葉石かおり氏(以下、葉石):大きく3つ挙げることが出来ます。それは、ペアリング(お酒と食事の相性を合わせること)のストライクゾーンが広いこと。そして、日本オリジナルのお酒として積み重ねて来た歴史。最後に、蔵元や蔵人のクラフトマンシップが一本の瓶の中に詰まっていることだと思います。

——食事とお酒のペアリングについてお聞きします。日本酒といえば和食というイメージが大きいと思うのですが、他にどのような食事と相性が合いますか?

葉石:意外にもイタリアンやフレンチともすごく合います。今はスペインでも日本酒が造られていて、スペイン料理にはオリーブオイルが多用されているのですが、そのオリーブオイルと日本酒の相性はピッタリなのです。

サラダや鯛のカルパッチョなど、ご自宅で日本酒のおつまみを作る時にぜひオリーブオイルを使った料理とあわせてみてください。

——シャンパンのようなスパークリング日本酒も流行っていますね。

葉石:宝酒造さんの‟澪”などは人気が高いですよね。他にも和歌山の平和酒造が作った紀土のスパークリングや一ノ蔵の‟すず音”などが有名。日本酒が苦手な女性にもおすすめでき、喉越しを良くすることで‟最初の一杯”として最高の一本になっています。

——新しい発想ですよね。

葉石:作り手の年齢がどんどん若くなっていることが理由の一つです。彼らは研究熱心なので、昔のやり方や歴史も活かしつつ、別ブランドを立ち上げたり、ラベルデザインを一新したりするなど、さまざまな挑戦をし続けています。

今では蔵ごとの個性が出て来て、バラエティ豊か。だからこそ、ぜひ蔵別でお酒を比べてみてください。

——おすすめの日本酒の選び方のコツなどありますか?

葉石:日本酒を購入する際にはまず酒専門店に行くことをおすすめします。自分の住む町にある日本酒の品揃えの多い酒屋さん。そこで店員さんに、自分の好みの味をまず伝えます。

あとは『こういったお料理に合わせたい』や、自宅用か贈呈用かなどの用途を伝えると良いアドバイスをもらえると思います。おつきあいを長く続けることで、 ‟十四代”をはじめとする稀少なお酒も手に入りやすくなることもあります。

——他におすすめの選び方があれば教えてください。

葉石:日本酒の味というのは、その地域の代表的な料理を思い浮かべてもらうと、何となくイメージ出来ます。地域のお酒というのはその土地に住む人が好むものをベースに作られています。

そのため、その土地の食べ物に合ったお酒になるのです。つまり、味付けの濃い地域では濃度の濃いお酒、逆に薄い味であれば薄いお酒になっているのです。

日本酒の楽しみ方、たしなみ方

——日本酒のおすすめの楽しみ方があれば教えてください。

葉石:やはり最初に挙げたペアリングを楽しんで欲しいですね。数多あるお酒と料理がピタッとはまった時の達成感が、さらに日本酒に対する興味を湧き立たせるはずです。私自身も自宅であれこれ簡単なおつまみを作って、夫とともに『こっちのほうがこの料理には合う』と思案しながら楽しんでいます。

料理と同時に、シチュエーションや料理の器、グラスを変えることも日常における楽しみの一つになると思います。大吟醸などフルーティな香りが特徴のお酒はぜひワイングラスで飲んでみてください。見た目にもラグジュアリーですし、深さがあるので、日本酒本来の香りを堪能することができます。

葉石かおり

——他に、夫婦で出来る日本酒の楽しみ方などあれば教えてください。

葉石:ご自宅でお二人で楽しむのも良いですが、実際に酒蔵に行ってみるというのはいかがでしょう。例えばご夫婦で旅行に出かけた際のコースに酒蔵見学を入れてみるとか。搾りたてのお酒も飲むことが出来ます。

また、酒蔵と提携したレストランも増えています。そこの日本酒に合わせた料理や、そこでしか飲めない限定のお酒を提供するお店もあるので、一緒に探してみるのも良いのでは無いでしょうか。

——お酒を飲む際に気をつけることがあれば教えてください。

葉石:日本酒はアルコール度数が高いので、お水を飲みながら飲んでいただくことが一番大切です。そうすると、二日酔いや悪酔い、不快な喉の乾きも軽減されます。それと、食べながら飲むことです。胃での滞留時間の長いタンパク質… 例えばチーズや肉、魚。後はビタミンCやビタミンB群も肝臓で代謝する際に使われるので、その季節のフルーツを食べると良いと昔から言われていますね。

逆に、意外と体に良くないのが‟寝酒”です。少量だったら問題ありませんが、大量に飲む方もいらっしゃいます。アルコールには眠りを誘う効果と同時に、覚醒効果もあるので、寝てもすぐに目が覚めて、睡眠の質を下げるかもしれません。

お酒は適量を守ってさえいれば健康に良いことは統計学的に証明されています。ご夫婦やスタッフの方とのコミュニケーションツールとしても活用して、日本酒を好きになってもらえれば、うれしいですね。

まとめ:おすすめのお酒をご紹介

■初心者の方に

水芭蕉ピュア
和製シャンパーニュとも言えるきめ細かい泡立ちのお酒。
メーカー:永井酒造/価格:360ml 2500円(税別)、720ml 4500円(税別)

紀土KID 純米大吟醸 山田錦
ジューシーかつやわらかな旨味。ワイングラスで飲むことで、魅力が際立つ。
メーカー:平和酒造/価格:720ml 1400円(税別)、1800ml 2800円(税別)

■少し贅沢な来客用・贈呈用

来福 純米大吟醸 超精米8%
酒米の92%を磨いて醸した贅沢な美酒。透明感にあふれる味わいで、飲む人を夢心地にする。
メーカー:来福酒造/価格:720ml 8000円(税別)

獺祭 磨き その先へ
かの銘酒「獺祭」の最高峰のお酒。蔵の技術を結集した珠玉の一本。
メーカー:旭酒造/価格:720ml 30000円(税別)

■撮影場所はこちら

sasahttp://monnaka-sasa.blogspot.jp/
一人でも気軽にお酒を楽しめる下町の和風バー。日本酒も楽しめる。

住所:東京都江東区富岡1-5-15 伊藤ビル 1F
門前仲町駅A2出口から徒歩1分
TEL:03-3820-1210
営業時間:19:00~翌1:00(ラストオーダー0:30)
※土曜日は23時まで
定休日:日曜・祝日