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「ものづくり」を根本から変える可能性を秘めた「3Dプリンター」

3Dプリンター

2017.04.24

医療業界でも支持拡大、社会を変える「3Dプリンター」【注目企業】

近年、3Dプリンターがさまざまな分野で活躍しています。「ものづくり」を根本から変える可能性を秘め、医療を含むあらゆる分野で使われ始めているのです。

■家庭用に5万円程度から

3Dプリンターとは、コンピュータ上で作成した設計図を出力することで、立体物を作ることができる装置です。従来、職人の手作りか、金型を作成し製造するものだった立体物を、3Dプリンターと設計図のデータがあれば出力ボタンを押すだけで作れるようになりました。

1980年代から存在しましたが、近年急速に浸透しつつあるのは、ダウンサイジングと低コスト化からです。家庭用も登場し、今では5万円を切る価格帯の商品もあるほどです。

製造業では、試作品の製作などに活用されています。試作品どころか、最終製品自体を作ることもあるようです。米ボーイング社などは、宇宙ステーションへの乗員輸送用の宇宙船部品にも活用を検討しています。

建設業界でも活用は進んでいます。建築模型を3Dプリンターで制作し、本物に近い模型を作ることが可能となった他、オフィスビルや住宅そのものを3Dプリンターで建設した事例もあります。個人でも安価で購入可能となった家庭用3Dプリンターを活用し、オリジナルの小物や部品を制作するなど、さまざまな分野で広がりを見せているのです。

■医療業界でも支持拡大

医療業界にも3Dプリンター活用の波は訪れています。小児の心臓などの難しい手術である場合、患者の心臓のレプリカを作ることがあります。3Dプリンターを活用することで、患者のCT画像から抽出した心臓データを基に、精巧なレプリカを短期間で安価に制作することが可能となりました。これにより、事前に手術の詳細な計画やシミュレーションができるようになったのです。心臓以外にも、さまざまな臓器や骨格などのレプリカが患者ごとに制作可能となっています。

レプリカだけでなく、患者が使用する義足や補聴器などでも利用が進んでいます。義足はオーダーメイドで作ることが多く、手間や費用が掛かることが問題でした。しかし、3Dプリンターを活用することで、安価にオーダーメイドできるようになっています。

補聴器に関しても、個人の耳の形状に合わせた補聴器を3Dプリンターによって製造することが実現しており、安価でオーダーメイドの補聴器を購入することができるようになりました。

そして最新の技術では、人間の皮膚を3Dプリンターで製造する技術も開発されています。スペインのBioDan Group社などの研究グループが開発中のこの技術では、3Dプリンターで人間の皮膚の構造や機能を再現した組織を作製できるのです。重度のやけどを負った患者への皮膚移植や、化粧品・化学薬品・薬剤の評価において、3Dプリンターで製造された皮膚を使用することが想定されているといいます。

■3Dプリンター関連の4銘柄

医療分野でも活躍をつづける3Dプリンターですが、関連銘柄も少し紹介しましょう。3Dプリンターが今後ますます活用されれば、これらの企業にもさらに注目が集まるのではないでしょうか。

● 群栄化学工業 東証1部 <4229>
3Dプリンターで製品を製造する際、材料となるのがフェノール樹脂です。工業用のフェノール樹脂を製造している国内最大級の企業となります。

● ローランド ディー.ジー. 東証1部 <6789>
3Dプリンターの製造を手掛ける企業であり、歯科用3Dプリンターなども製造しています。

● パルステック工業 東証2部 <6894>
光ディスク機器・検査装置大手パルステック工業では、3Dスキャナーの製造を行っています。3Dプリンターで実際の物をデータ化する場合、3Dスキャナーを使いスキャンすることによって、より正確なデータを作成することが可能となります。

● ヤマトホールディングス 東証1部 <9064>
ヤマトホールディングス傘下のヤマトシステム開発株式会社は、2017年2月1日より3Dプリント・配送サービスを開始しています。3Dデータの作成から造形、配送までをワンストップで提供することで、治療用装具や医療模型の注文を想定しています。

さまざまな分野で進化を続ける3Dプリンター。今後もさらなる技術革新により、利便性が向上することが考えられます。医療分野でも投資の分野でも、常に最新のニュースに注目していきたいところです。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部