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離婚にかかる3種類の「お金」とは?

離婚 お金

2017.04.10

開業医など高収入者が知っておくべき「離婚」にかかるお金と対策

既婚者、特に高年収の既婚男性からじわじわ人気を集めている書籍があります。『損する結婚 儲かる離婚』(新潮新書)です。Amazonの恋愛論カテゴリで1位、投資・金融・会社経営の一般・投資読み物でも3位に入るなど注目されています。

著者は元外資系金融マンで人気作家である藤沢和希氏。本書の章立てを見ると「結婚相手の選び方は株式投資と同じ」「有名人の結婚と離婚に関するケーススタディ」「離婚裁判の実際」などが並んでいます。

これから結婚しようという未婚の読者も多いでしょうが、どうやら既婚男性にも支持されているようです。多くの既婚男性にとって、一度は「離婚」という言葉が頭をかすめる瞬間はあるのかもしれません。

「うちに限って離婚なんてありえない」という新婚さんもいるでしょうが、2016年に日本で離婚した夫婦は21万7,000組です(厚生労働省調べ)。

同年の婚姻件数が62万1,000組ですから、離婚する夫婦は意外と多いと思いませんか?

実際に離婚した夫婦の中には、「うちに限ってありえない」と思っていた人もいるはずです。もしそうなったときに頭を悩ますのが「金銭問題」です。

■離婚にかかるお金は大きく3種類

離婚で生じる金銭問題には、大きく「財産分与」「慰謝料」「養育費」の3つがあります。

「財産分与」とは、「夫婦の共有財産」を分けることです。婚姻前に夫、または妻が独自に持っていた財産は、それぞれの「固有財産」になりますが、結婚以降に夫婦で協力して形成した財産が「共有財産」となり、これを基本的に折半します。

「慰謝料」は、離婚の原因を作った配偶者、例えば浮気、暴力、遺棄(同居義務・協力義務・扶助義務違反)などを行った人が、もう一方の配偶者に支払うものです。
「養育費」は、未成年の子どもがいる場合に、子どもが成人するまで、親権者でない親が支払うものです。

■妻・弁護士に「財産は折半が原則だ」と言われたら医師はこう返せ

いま結婚生活がうまくいっていても、いつ危機に陥るか分かりません。もしそうなった場合、できるだけ自らの「出費」を抑えるために、今からできる対策や心構えを考えてみましょう。

上で紹介したように、「財産分与」により、一方が専業主婦であっても、夫の財産形成に寄与したとみなされ、基本的に妻も財産を半分受け取ることになります。妻が夫の財産形成に寄与した度合い(寄与割合)が「夫50対妻50」になるという考え方です。この妻・弁護士の言い分は、妻がいなければ、夫は存分に外で働けないから、妻は財産形成に「半分」寄与しているから半分もらう権利があるというものです。

しかし、この「50対50」はあくまでも原則です。

例えば、夫が医者や弁護士等の専門職で、一般的なサラリーマンよりも高額の収入を得ていた場合には、やや事情が変わってきます。一般的に医者や弁護士等は、婚姻前に積み重ねた努力によって大学に入学し、卒業後に資格を取り、その結果高い収入を得ています。そう考えると、既に医者や弁護士として高収入を得ていた人と結婚したというだけで、妻が共有財産を半分もらっていいのかという疑問が出てきます。スポーツ選手や芸術家も同じです。

こうした場合は寄与割合を考慮すべきとの裁判例も出ています。判例では「夫70対妻30」、「夫60対妻40」など個別に判断されます。

ただ、離婚の際に「『財産分与』は折半になっている」と妻や妻が雇った弁護士から言われても、以上の事実を知っていれば、「いや、それはあくまで原則だ」と反論することができるはずです。

「慰謝料」の対策としては、離婚の原因を自分から作らないという一言に尽きます。例えば、浮気が原因で離婚する場合、その期間などによって変わってきますが、100万円から300万円が一般的な額と言われています。

■「養育費算出表」をもとに高額な養育費を請求されたら?

ただ慰謝料に加えて、「婚姻費用」も請求される場合があります。これは、離婚後に婚姻時の生活を維持できるように扶養する費用です。高収入の夫と離婚する場合、今までの生活レベルを維持するために月々の生活費を要求される可能性は高くなります。

養育費は、「養育費算出表」なるものがあり、これから月々に支払う額を出すことができます。この表は縦軸が「義務者(支払う側)の年収」、横軸を「権利者(受け取る側)の年収」で、両者の年収によって養育費が一目でわかるように作られています。ただ、この表では年収2,000万円までしか表されていません。それでは、2,000万円を超える義務者は、この表に記載された金額以上を支払わなければならないかと言えば、決してそうではありません。

例えば、義務者の年収が2,000万円で権利者の年収が100万円だった場合、「18~20万円」です。仮に義務者の年収が2,000万円を超えた場合には、これ以上の金額、20万円以上を支払うのかと言えば、そう単純な話ではありません。そもそも、子ども一人の養育に月18~20万円かかるというのは無理があります。

また高額な養育費を受け取った親権者が、子どものために使った金銭の残りを自分のために使うことは、養育費の趣旨に反しています。何よりも、支払う側の生活を圧迫するような金額は、バランスを欠きます。この表の金額は、あくまでも「上限」だと考えるべきです。

ですから、もし離婚の際に「養育費算出表」を提示され、高額は金額を請求された場合には、「これはあくまでも参考資料だから、もっと現実的な金額を決めよう」と提案しましょう。

無事長続きすることが一番でしょうが、無理に結婚生活を続けるより離婚という選択肢がお互いのためになるかもしれません。「バツイチ」という言葉がすっかり市民権を得た今、離婚は人生の一大事ではなくなりつつあります。一番は結婚相手や子ども、家族の気持ちでしょうが、それで割り切れないのが、お金の問題です。

今回紹介した対策、考え方は、たとえ結婚生活が順調な方でも、高年収であればあるほど、頭の片隅に置いて損はないはずです。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部