ファイナンス

個人で行う“ふるさと納税”との違いとは

企業版ふるさと納税

2017.02.20

“企業版ふるさと納税”を、知っていますか?

「企業版ふるさと納税」をご存知でしょうか。個人で行うふるさと納税はマスコミでも取り上げられているのでご存知の先生も多いと思います。今回は平成28年度に内閣府により創設された「企業版ふるさと納税」についてお伝えします。

〇企業版ふるさと納税とは

平成28年度の税制改正で創設されたもので、正式名称は「地方創生応援税制」と言います。この名前からもわかるように、この制度は地方公共団体が作った地方創生に関係する事業に対して寄付をすると、税の優遇措置を受けることができるというものです。

今までも地方公共団体への寄付はできましたが、損金算入による軽減効果は寄附の金額の約3割でした。しかし、今回の企業版ふるさと納税では、さらに法人住民税や法人税、法人事業税を合わせて、寄附した金額の約6割の税が軽減される制度になっています。

企業版ふるさと納税

注意しなければならない点は、以下になります。

・1回の寄附の金額は10万円以上。
・内閣府に「地域再生計画」として認可された事業が寄附の対象。
・本社などの主たる事務所や事業所がある都道府県や市区町村への寄附は対象外。
・三大都市圏にある地方交付税が交付されていない自治体など一部の地方公共団体は寄附の対象外。
・寄附を行うことへの代償として地方公共団体から経済的利益を受けることは禁止されている。

〇個人を対象としたふるさと納税との主な違い

・個人も企業版も税制の優遇措置があるが、実際の負担額が個人の場合は2,000円~と、実質負担を少なく押さえることが可能なのに対し、企業版の方は寄附金額の約4割が実質企業負担となる点

・寄附の対象は、個人の場合は自由に地方自治体を決めることができるが、企業版の場合は、地方自治体が地域再生計画として内閣府に認可された地方創生事業が対象である点

・返戻品については、個人の場合は物産品などが送られてくることが多いが、企業版の場合は経済的利益の供与は禁止されている点

企業のCSR活動にも使える企業版ふるさと納税ですが、上記のように注意点が多くあります。実際に寄附を行う場合は、税理士などの専門家に相談をして検討されることをオススメします。なお、寄附の対象期間は平成32年3月31日までです。

参考:内閣府地方創生推進事務局の地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)のサイトで、寄附ができる事業を確認することができます。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/tiikisaisei/kigyou_furusato.html

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部
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