FINANCE

開業医と勤務医のメリット・デメリット(収入面)

開業医と勤務医、どちらを選択するべきか

2017.02.06

開業医と勤務医、どちらを選択するべきか?Vol.1

開業医と勤務医、どちらを選択すべきか。多くの方が悩まれるポイントでしょう。総合的に見てどちらがご自身にとってよいか判断すべきといえますが、今回は「収入面」において比較していきます。

実際の開業医と勤務医を収入面で見た場合に、数値的には以下のようになります。

■勤務医は1544万円、開業医は2930万円

平成27年に実施された厚生労働省「第20回医療経済実態調査の報告」によれば、医師の平均年収(1年間の給与+賞与の合計額)を開業医と勤務医で見ると大きな差があることがわかります。

まず一般的に開業医を指す一般診療所の院長の平均年収は2914万円。一方で、診療所の勤務医は1215万円となっています。

次に国立病院と民間病院を比べてみると、そのギャップに驚かされます。民間病院と国立病院の院長の平均年収を比較すると、1000万円ほどの開きがあるのです。国立病院院長は、こうしてみるとずば抜けて収入が多いわけでなく、国立病院勤務医や民間病院勤務医との差は400〜500万円程度です。

では、歯科医はどうでしょう? こちらの院長と勤務医のギャップはより明らかです。開業医を指す院長が1267万円であるのに対し、勤務医は596万円と半分以下になります。この差が、コンビニより多くの歯科医院が存在する現在でも、歯科業界においては開業することが規定路線となっている所以でしょう。

<表:院長と勤務医の平均年収>
院長と勤務医の平均年収

■可能性を信じリスクをとるか、安定を選ぶか

前述したように、収入面だけを見れば、勤務医よりも開業した方が、収入が増える見込みはありますが、開業するということは、経営者となり、その分リスクも増えることを意味します。特に何もしなければ、大きな責任やリスクを負うというマイナスもありませんが、資産や収入が増えるなどのプラスも期待しにくいのは当然のことですよね。

また、開業医と勤務医の所得の差は額面のみで比較できるものではありません。例えば、開業するとなると、ほとんどの方は何人かのスタッフを雇われるかと思います。ということは、院長先生にはそのスタッフの方の生活を守る責任も発生し、万が一怪我や病気で医院を休まないといけなくなっても一定の経費はかかり続けるなど、勤務医時代以上に保障にお金をかけなければならなくなったりもしますし、医業に加えて経営にかける労力も必要になってきます。

代々医院経営をされている家柄で、集患や経営、スタッフ教育等のベースが既にあるというような場合は別ですが、開業するか否かはこの収入の額面の差をみて判断できるものではありません

・いくらの投資が必要なのか?(開業資金を含む、継承等の出口までに発生する費用を見積もる)
・回収の目処をどう立てるか?(開業地の特徴とニーズを見極め、戦略を立てる)
・経費面は?(前述の保障や開業すると医院経費とできる費用等を整理し比較する)

                                     …等々

上記のように、額面のみには表れない、勤務医と開業医との差は多く存在します。短期的な視点で収入を比較するのではなく、その差が何から生まれるものなのかという背景も踏まえて、開業するか否かの判断をされることをお勧めします。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部