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資金繰り

2016.12.05

資金はいつ、誰から、どうやって借りる?Vol.1

クリニックを開業する際に、どうしても悩みの種となるのが立地資金繰りです。立地は駅前や居住環境の適したところなどで探すことになりますが、それと同時に開業資金をどうするかも考えていかなければなりません。そこで、開業資金の借り方について解説していきたいと思います。

まず、開業時にどこで借りることができるのか? 親族などからの借り入れに頼る方法も考えられますが、新規開業であれば、医療機器とリフォーム費用等初期費用を必要最小限に抑えても数千万円、土地や建物も自前で用意する場合には億単位の資金が必要となるため、一般的には民間の金融機関を頼ることになります。この他、日本政策金融公庫から開業資金を借りる方法もあり、固定金利で借りることが可能です。

金融機関の選定と同時に、どれぐらい資金が必要になりそうか見積もりを取っておく必要があります。いきなり全部を揃えるのではなく、一部はリース等を活用し、順次取り揃えていく方法もありますので、開業後の大まかな設備投資計画も一緒に立てておくことをお勧めします。

金融機関の審査において特に重視されるものの1つとして、開業計画書があります。開業計画書では、開業後の収支のシミュレーションのほか、どういった事業展開を目指すのかを記載します。新規開業は実績がないため、その開業計画が妥当で、人格やその事業の将来性なども含めて返済能力があると判断されなければ融資実行とはならないため、この開業計画書が大きな意味を持つのです。出来る限り具体的な計画を立てた上で、金融機関の融資面談時には事業計画や資金計画を細かく伝えられるよう準備しておきましょう。

また、開業計画書の他に、担保保証人をどうするかも考えておかなければなりません。現状の資産額も聞かれるため、預貯金の証明できる通帳のコピーや、既に住宅ローンなどの借り入れがある場合にはその借入額も示す必要があります。こうした書類も事前に準備しておかれると、スムーズに事が進みます。

現在はマイナス金利の影響により、比較的事業借入がしやすい状態にあるといわれていますが、依然として比較的高めの金利(2%前後若しくはそれ以上)で借りられている先生方も多くいらっしゃるようです。この機会に一度ご自身の融資条件が改善できないものか確認してみられては如何でしょうか。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部
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