ファイナンス

「介護休業給付金」の給付率引き上げが8月から始まります

介護休業給付金

2016.07.25

「介護休業給付金」の給付率が変わる!

仕事と介護の両立を後押しする制度である「介護休業給付金」の給付率が、今年8月から変わります。

「介護休業給付金」は、65歳未満の雇用保険の一般被保険者で一定の条件を満たしている人が、ケガや病気などにより2週間以上にわたり常時介護が必要となった家族のために、介護休業を取得した場合に支給される給付金です。8月1日以降に介護休業をした場合は、現在の給付率40%から67%に変更されます。ただし、給付金をもらうためには、以下のような条件を満たす必要があります。

○介護休業を開始した日の前2年間に、賃金支払い基礎日数が11日以上ある月(完全月)が12ヶ月以上あること。
○支給単位期間(1か月)の初日から末日まで雇用保険の被保険者であること。
○各支給単位期間(1か月ごと)において就業している日が10日以下であること。
○介護休業を開始する時点で、介護休業が終わった後に、退職することが予定されている場合は支給の対象になりません。

給付金としてもらえる金額は、支給単位期間(1か月)ごとに計算を行い、8月からは「介護休業給付金の月額 = 休業開始時の賃金日額 × 支給日数× 67%」となります。なお、賃金日額の上限額も、8月1日から引き上げられます。

また、給付金の支給対象期間中に、会社から賃金支払いがある場合は注意が必要です。

今年8月1日以降に介護休業を開始した人は、支給の対象期間中に賃金の支払がある場合、支払われたその賃金の額が「休業開始時の賃金日額に支給日数をかけた額」に対し、13%(平成28年7月31日までに介護休業を開始した方は40%)を超えるときは支給額が減額され、80%以上の場合、給付金の支給はありません。

そして、介護休業給付金の対象となる介護休業期間は、1回で最長3か月です。ただ、介護が必要な同一の対象家族について、過去に介護休業給付金をもらったことがある場合でも、要介護状態が異なることにより再び取得した介護休業についても、介護休業給付金の対象となります。ただし、この場合は同一家族について受給した介護休業給付金の支給日数の通算が、93日が限度となります。

介護休業を取るときは、あらかじめ定められた「要介護状態」「対象家族」であることを確認し、介護休業の期間の初日および末日を明らかにして勤務先に申し出を行うことが必要です。そして、介護休業終了後は、原則、勤務先が給付金の支給申請の手続きをハローワークに行う流れです。

従業員が介護離職をすることが社会問題になっている現在、少子高齢化とも相まって、今後より多くの方が家族の介護に直面し、介護休業を取りやすくする職場づくりは今後重要になってくるでしょう。今回の改正は、介護離職を減らし、介護後の社会復帰しやすい環境をつくるためのきっかけに過ぎません。一人一人の力で、働き続けやすい社会をつくっていきましょう。

執筆者:DR’S WEALTH MEDIA編集部
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